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奥多摩むかしみち その2 (H24.11.16)


奥多摩の紅葉



縁結びの地蔵尊

「しだくら吊橋」から次の散策スポット「浅間神社」までは徒歩50分となっていますが、標高差が150mほどあります。

「しだくら吊橋」から少し進むと「縁結びの地蔵尊」があります。

恋しい人と結ばれたい・・・・・
いとしい方と添い遂げたい・・・・・

いつの世でも同じです。

人知れずこっそりと二股大根を供えて一心に祈れば「結縁成就」といわれています。


さらに進むと「馬の飲み水場」があります。

ここで馬を休ませ、飼い葉を与えました。

馬方衆は「たてば」と呼称されている茶店で一服休憩ということになります。

茶店はゴーロ、清水、大島屋の3軒があって、駄菓子、うどん、まんじゅう、タバコなどが商われ、一杯酒もあったとのことです。


馬の飲み水場



牛場観音様

少し進むと小さな集落「動所」があり、そこに「牛場観音様」「虫歯地蔵尊」「玉堂歌碑」があります。

奥多摩では馬のみでなく牛も荷物の運搬に使用されていました。

「牛馬観音様」は、旧道の難所であり、牛馬の通行の無事息災を祈った観音様です。

「牛場観音様」の造立は珍しいとのことです。


歯医者のいなかった昔、村の人々は歯が痛くなってもどうすることもできませんでした。

「虫歯地蔵尊」は、煎った大豆をお地蔵様に供えて、平癒を祈ったというお地蔵様です。


虫歯地蔵尊



玉堂歌碑

「虫歯地蔵尊」の近くに「玉堂歌碑」があります。

「人里離れた山の上で息をひそめるように生活しているあの集落は、何というところだろう。私もいつか、きっと、あのような場所で余生を送りたいものだ」

この歌は、川合玉堂が29歳の時に、小河内方面の写生に来た際に、この場所で詠んだもので、玉堂が奥多摩に住むようになった原点といわれています。



遙か山の上に民家が


玉堂は昭和19年に奥多摩町白丸に戦時疎開し、その後青梅市御岳に移りましたが、この歌のとおり晩年は奥多摩を離れることなく、昭和34年84歳で他界するまで、身近な山村と素朴な村人の暮らしを描き続けたとのことです。

「玉堂歌碑」から奥多摩の方向を見ると、歌のとおり遙か山の上に民家が見えます。

よく見ると1軒ではありません。中山集落で、この時点ではまさか中山集落を訪ねることになるとは、夢にも思っていませんでした。


よく見ると集落です



動所吊橋



動所吊橋から多摩川の展望



動所吊橋からの展望

動所集落から少し進んだところに「動所吊橋」があります。

この吊橋も「3人以上は歩かないで下さい」と書かれていますが、「しだくら吊橋」よりも不安定で、吊橋の上を他の人が歩くと、その振動が伝わってきます。

しかも、歩くと張られている板が動く感じです。

「動所橋」も吊橋の両側に金網は張られていますが、手で掴んで身体を支えるような構造にはなっていません。



奥多摩むかしみち



奥多摩むかしみち


とても他の人と一緒に橋の上を歩ける状況ではありませんし、橋の上ですれ違うのは困難な状況ですので、橋の上に他の人がいなくなってから一人で渡りました。

吊橋の上から見る渓谷美は素晴らしいものがありました。


奥多摩むかしみち



奥多摩の紅葉



奥多摩の紅葉

動所吊橋を過ぎると右は岩肌が続き、左は木々の間から時々多摩川の渓谷と望むことができるといった景観が続きますが、紅葉が益々綺麗になってきます。

こうした景色を楽しみながら暫く進むと見晴らしの良い場所に到着します。

「西久保見晴らし広場」です。



西久保見晴らし広場


「西久保見晴らし広場」には椅子も準備されており、紅葉を眺めながら食事を楽しんでいるグループが見られました。

「西久保見晴らし広場」の先が「西久保切り替えし」になっており、坂道を上りながら180度Uターンして、「西久保見晴らし広場」のすぐ上に出ます。

ここからの景観は素晴らしいものがあります。


西久保見晴らし広場



左上方向 奥多摩むかしみち奥多摩方面

左上にトンネル(西久保トンネル)が見えますので、その方向に進むだろうと思っていたところ、左側に案内板があり、右方向が青梅街道、左斜め上方向が「奥多摩むかし道奥多摩湖方面」、左下方向が「奥多摩むかしみち 氷川奥多摩駅方面」となっています。

左斜め上方向は人一人が通れるような急な坂道になっています。



坂道からの景観


この細い道が本来の奥多摩むかしみちです。

坂道の勾配が登るに従い急勾配になります。

急坂の途中に腰を下ろして休息できる場所があり、昼食を兼ねて休憩している人が数多く見られました。

坂を上るに従い時々木々の隙間から見える景観も変わってきます。


どこまでも続く坂道



中山集落からの景観 遙か彼方に玉堂歌碑のあった集落が



中山集落からの景観



残念ながら中山集落が写っていません

急坂の連続した道を15分ほど登ると目の前が急に開けて集落がありました。

何と下から遙か上に見上げた中山集落です。

標高は約580mあり、集落の前からの景観は見事なものがあります。

「玉堂歌碑」があったと思われる場所を、遙か下方に眺めることができます。

山を登って山頂に到着したような爽快感を味わうことができました。


中山集落から少し進んだ右手が「浅間(せんげん)神社」です。

浅間神社は富士山を霊山とし、富士山の神霊である木花咲耶姫命(このはなのさくやひめのみこと)を祀る神社です。

社殿は江戸中期に造営されたもので、愛宕神、稲荷神、天狗神も合祀しています。


浅間神社



奥多摩むかしみち

「浅間神社」から次の散策スポット「むかしみち 水根出口」までは徒歩約40分です。

「浅間神社」を過ぎても、人一人がやっと通れるような細い道が続きますが、道は緩やかな上り下りになります。

素晴らしい景観を楽しむことができる場所と、山間の谷間の部分とが連続しています。



奥多摩むかしみち



左前方に奥多摩湖 眼下に青梅街道 右上に青目立不動尊(?)


細い道を進んでいくと鉄板橋があります。

鉄板橋の少し先が分岐点になっており、青梅街道の「滝のり沢」バス停に出ることができる道があります。


奥多摩むかしみち 壊れかかっている橋



滝のり沢分岐点の案内表示

「むかし道 奥多摩湖」の方向は、細い道の傍に青いビニールの網が張られており、復旧工事中のようです。

ビニールシートの傍の急坂を上ります。

浅間神社から分岐点まで、緩やかな下り坂を進んできましたので、また登らなければならないのです。


坂道を上って少し進むと「青目立不動尊」があります。

この付近が標高約600mで、今回のコースの最高地点です。

「青目立不動尊」は、修験法印(山岳修行の最高位の験者)の奥平家で、不動明王、薬師如来、弘法大師を祀り、悪魔退散、象生斉苦、村人を守護し、光明を与えていました。

その母屋を利用して「青目立不動尊休み処」が開業しています。

お店の前の展望台に立つと、目の前に奥多摩湖が広がっています。


青目立不動尊



青目立不動尊からの展望



青目立不動尊からの展望



水沢遊歩道に架かる橋

「青目立不動尊」から下りになり、少し進むと「むかしみち水根出口」です。

「むかしみち水根出口」から次の散策スポット「奥多摩水と緑のふれあい館」までは徒歩約20分です。

「むかしみち水根出口」から「奥多摩湖方面」の案内板にしたがって暫く進むと、右手に階段があり、その先に橋が架かっています。

この橋を渡ると「水根沢遊歩道」になります。



橋から上流の展望



奥多摩の紅葉 左下は奥多摩湖の駐車場


水根沢遊歩道を下っていくと、「水根バス停」で青梅街道にぶつかります。

「水根バス停」から青梅街道に沿って少し進み、右手の階段を登ると目の前が奥多摩湖で、左手に「奥多摩水と緑のふれあい館」(チェックポイント)があります。


奥多摩水と緑のふれあい館



奥多摩湖



奥多摩湖

奥多摩湖は小河内ダムによって堰き止められてできた人造湖です。

小河内ダムは、東京都多磨町(都心から約65Km)にあり、標高530mに位置しています。

多摩川上流域を水源とする集水域は、東京都奥多摩町、山梨県丹波村、小菅村及び甲州市の4市町村にまたがっています。


小河内ダムに貯えられた水は、ダム直下の多摩川第1発電所で発電に使用後、多摩川に放流され、小作取水所(下流約34Km)と羽村取水所(下流約36km)で水道原水として取水されます。

水道原水は、自然流下により村山・山口貯水池、多摩川上水路などを経て、東村山・境の各浄水場へ、また導水ポンプにより小作浄水場へ送られます。


奥多摩湖



奥多摩湖



奥多摩湖の紅葉

小河内ダムは、昭和13年(1938年)に起工しましたが、戦争の激化により昭和18年(1943年)一時工事を中止し、昭和23年(1948年)に工事を再開し、昭和32年(1960年)に完成しました。

ダムに打ち込まれたコンクリートは、旧丸ビルの枡で700杯分に相当する量とのことです。



小河内ダムからの展望 下方は水力発電所



小河内ダムからの展望


ダムの高さは149m、長さは353mです。

有効水深は101.5mで満水時の周囲の長さは46Kmにも及ぶとのことです。

小河内ダム完成当時は、東京の水源は主に多摩川水系に依存していましたが、現在は東京都の水源の約20%となっています。


小河内ダム



奥多摩湖



奥多摩湖



小河内ダム

小河内ダムの堤防のほぼ中央に小河内ダム展望塔があります。

展望塔の2階には、ダムのジオラマや小河内ダムの歴史を紹介したパネルを展示されています。

また、3階はダムを一望できる展望室となっています。

見事な紅葉を眺めることができましたが、ガラス面の反射のため、残念ながら写真撮影はできませんでした。



小河内ダム


「奥多摩水と緑のふれあい館」は、奥多摩の自然と歴史、水と自然の大切さやダムの仕組みなどをわかりやすく知ることのできる、東京都水道局と奥多摩町の共同施設です。

「奥多摩水と緑のふれあい館」前のバス停からバスに乗車して、JR奥多摩駅に戻り、「奥多摩町観光案内所」がゴールです。

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        風来坊


小河内ダム


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