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柳町
上田市の市街地に位置する北国街道の一部に、石畳の道路や長屋が軒を連ねる美しい街並みがあります。 ここが北国街道の宿場町として栄えた柳町です。 真田昌幸(真田幸村の父)が上田城築いた約15年後の慶長3年(1598年)に、上田城下に北国街道が通ります。
この北国街道は参勤交代の大名(加賀百万石など)や佐渡金山の金の通路として、また庶民の善光寺参りの参道として大変賑わいました。 柳町が面する通りが北国街道です。 柳の木が多かったこの通りに旅籠屋や商家が軒を連ね、呉服屋だけでも25軒あったといわれています。
柳町の見どころとして次があります。 軒高が揃った美しさ 柳町通りの建物は平屋建ての妻入りの町屋は1軒もなく、2階建て平入りの町屋が整然と並んでいます。 町屋のほとんどが同じ形式を持つため、町並みの中心部には比較的整った軒高による水平線を見ることができます。
親付き切り子格子 格子造りの町屋も残っていますが、2階に親付き切子格子のある家が多いことです。 2階に取り付けられた格子をよく見ると、長いもの(親)と短いもの(子)があり、それぞれの本数も家によって異なっています。 親付き切り子格子といい、これほど集中して見ることができるのは、上田の中心地では柳町だけとのことです。
卯建(うだつ) 柳町には、卯建が多くみられます。 卯建にも色々種類があるようですが、柳町は袖卯建と呼ばれる種類のものです。 卯建は、日本家屋の屋根に取り付けられる小柱、防火壁、装飾のことです。 富裕層しかあげることが出来なかったため、「うだつがあがらない」という慣用句が生まれたと言われています。
川辺のなまこ壁
蛭沢川に面した土蔵
川辺のなまこ壁 柳町の一番北側に神宮橋がありますが、その少し手前に保命水があります。 保命水のある交差点を左に50m程進むと緑橋があります。 橋から左右を見ると蛭沢川に面して土蔵が並び、表の街並みとは異なった趣です。 ここでは上田では数少ないなまこ壁の土蔵を見ることができます。
柳町の保命水
柳町の一番北に近いエリアに保命水と呼ばれている井水があります。 明治14年(1881年)に柳町の先人達が、新田の海禅寺の境内に湧き出る清水を木管で引き、その後、町の北と南に四角な石の井を造り、その中間2ヶ所に蛇口管を立てて、町内の人達の生活用水、非常用水としましたが、これは北国街道の往来の人々にも喜ばれ、多くの人に利用されてきました。
大正12年(1922年)上田市の上水道が開設されるまで、市内に良質の飲料水が少なかったので、この保命水は町民の負担でたびたび修理をし、また改修をして維持されてきました。 しかし上田市に上水道が敷かれてからは、保命水の利用も次第に少なくなり、また水源の水圧も減ったため、現在では柳町北側の井だけになっています。
池波正太郎真田太平記館
上田駅から北に延びる市街地 真っ直ぐ15分程進んだ左手が柳町
上田駅から北に延びる市街地
柳町から上田駅に向かう途中に「池波正太郎真田太平記館」があります。 歴史小説家・池波正太郎の遺品や、代表作の「真田太平記」の舞台となった地形模型などが展示されています。 残念ながら休館日でした。
アクセス 柳町まで上田駅から徒歩15分 上田城址公園から柳町まで徒歩10分 関連のホームページ 上田観光コンベンション協会 上田散策その1へ 風来坊
上田駅前の水車