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せせらぎ公園古民家のひな飾り (H24.3.6)


せせらぎ公園古民家



せせらぎ公園古民家のひな飾り



せせらぎ公園古民家

横浜市都筑区にある「せせらぎ公園古民家」では、2月25日(土)〜3月31日(土)の間、「吊るし雛・段飾り」のイベントが開催されています。

「せせらぎ公園」は横浜市営地下鉄仲町台駅の北方にある公園で、港北ニュータウンで暮らす人達の憩いの場として親しまれています。

この公園の池のそばに古民家が建っています。

この古民家は、旧内野家の住宅です。


内野家はもとは京都の出身で、大阪夏の陣の功績により荏田に領土を与えられ、それ以降現代まで続く旧家です。

旧内野家住宅は港北ニュータウンの開発の際に内野家より寄贈を受け、昭和55年にせせらぎ公園内に当初の形式に近い形で復元されたものです。

建設年代は手法よりみて江戸時代中期〜後期と推定されます。

復元された間取りは「広間型三間取り」と言い、当時の農家の特長が伺えるとのことです。


せせらぎ公園古民家長屋門



吊るし雛・段飾り



吊るし雛・段飾り

土間と広間鏡の中央部に設けられた背の低い板壁は「タキギヨケ」と言い、炉部の落ち着きを保つ(或は、タキギを隠す)ためのものであるらしく、横浜付近の民家独特のものとされています。

屋根は萱葺きであったものを公園内で保存管理上、外形を萱葺きの形を踏襲し、銅版葺としています。



吊るし雛・段飾り


古民家の傍にある長屋門は、旧小杉家の長屋門です。

この門は安政6年(1859年)に長屋門として建築され、東京都目黒区にありました。

当主が横浜に深い関わりが当たっため、昭和54年に寄贈され、長屋門の長屋である脇部屋を除いた門の部分だけが、主屋にあわせた形で移築復元されました。


吊るし雛・段飾り



吊るし雛飾り



吊るし雛・段飾り



吊るし雛・段飾り

「せせらぎ公園古民家」の「吊るし雛・段飾り」のイベントでは、吊るし雛や雛人形が展示されます。

このイベントは今年が6回目とのことです。



吊るし雛・段飾り



吊るし雛飾り


展示されている吊るし雛は、「和布にふれて教室」の生徒さんが1年かけて作った作品です。「和布にふれて教室」は月1回開催されており、教室の広さから生徒は10名程度とのことです。

「吊るし雛・段飾り」では、1年生の作品は一番手前にある鞠などの作品で、吊るし雛は2年生以上の作品とのことですが、素人とは思えない見事な作品が並んでいました。

吊るし雛飾り



吊るし雛飾り

「せせらぎ公園古民家」の吊るし雛は、「柳川の吊し雛」すなわち「さげもん」に沿って作成されているとのことです。

「さげもん」では、紅白の輪に7個ずつ7本の吊し雛が飾られますが、古民家の吊し雛の飾り付けはすべてこの方法が採られていました。

古民家でいただいた「柳川吊し雛」に関するパンフレットの引用です。



吊るし雛飾り


福岡県柳川地方では、古くからひな祭りがとても盛んです。特に初節句の折りは壇飾りの左右にたくさんの吊り雛・通称「下げもん」を、鴨居に渡した紅白を巻いた竹竿に下げ、賑やかに祝います。25対以上も飾る家も珍しくありません。広い田舎の家ならではの雛祭りです。1部屋から3部屋(30畳ほど)に飾ります。吊り雛は直径40cmの紅白の輪に7個ずつ7本つまり49個の縮緬細工や鞠を下げた物です。なぜ49個かと言いますと一説には「人生僅か50年、女は一歩下がって49年」ということで49個になったといわれています。


吊るし雛飾り



吊るし雛飾り


・ハイハイ人形、ねんねん人形、雪ん子、かぐや姫、三番叟等の人形

・大根、人参、蓮根、桃、みかん、いちご等の野菜や果物

・犬、猫、猿、鶴、亀、金魚、るり鳥、干支の動物など

・宝袋、小判、俵、香袋などの宝物

・桜、桃、椿、梅、桔梗などの美しい花

・刺繍まり、木目込みまり、人柄も家の中も世の中もすべて丸く収まるように

まりは、各地に城下町に伝わっていますが、当地では柳川まりと呼びます。江戸時代に御殿女中が有明海の海岸に打ち上げられた海綿を芯に布団とじのしけ糸を巻き、弾むまりを作り、姫様の遊具にしたのが始まりといわれています。

これらの吊り雛は江戸時代からあったと言われていますが、最初はその家のおじい様やおばあ様が可愛い孫のために、有り合わせの端切れや麦わら・貝・紙などを使って女の子の生活に必要な物を作って飾ったと思われます。

現在ではその家のおばあ様が主に作り、親戚やご近所、お友達が一対ずつお祝いに差し上げます。赤ちゃんが女の子と分かる前から作り始める所もあるほどで、特に息子しか持たなかったおばあ様は、女の孫が生まれるのを待ちわびます。女の子が優遇されている風土とも言えるかもしれません。

柳川の雛祭りは老いも若きも楽しい庶民の祭りとして、初節句の家では知人、親戚はもちろんのこと、全く知らない人でも喜んで見せてくれますし、雛あられなどを振る舞います。

その吊り雛には、その女の子が一生困らないようにそして恵まれることを願って次のような物を飾ります。



吊るし雛飾り



吊るし雛飾り


吊るし雛飾り



柳川まり


関連のホームページ

 せせらぎ公園古民家



アクセス

横浜市営地下鉄仲町台駅から徒歩10分


       風来坊


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