「私の家白鳳庵はその園広く、かつ古木が自然の風情を添えております。殊にこれらの古木は樹齢150年、250年を数えるものが多く、かつ樹種も100を数えるぐらいあります。
これらの木々は四季折々、その色と形を変え香りを放って私達をなぐさめてくれております。
これを一人で満喫するには忍びず、世間の人々にもという気持ちから。私は十数年来あじさいの種類と品種を蒐集して、これが増殖につとめてきました。ことにあじさいは大樹の下の陽光地が適することから、益々力を得て今日に至りました。これを一般に開放して既に7、8年を過ぎております。幸い今日では横浜をはじめ近隣の都市は勿論東京都からも多くの人々がわざわざ鑑賞に来て頂いております。そこで私は現在持ち合わせている各種類を調べ、その主たるものを取りまとめて、ここに上梓することにしました。ご参考になればと思っております。
勿論まだまだ変わった品種もありますので何れ後日これらも取りまとめて第二巻として発刊するつもりです。」
昭和54年4月15日
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