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樹齢800年の日本五大桜「石戸蒲ザクラ」その1 (H25.4.1)


天然記念物・石戸蒲ザクラ



北本駅西口付近の街並み

JR東日本の「駅からハイキング」のイベント「樹齢800年の日本五大桜『石戸蒲ザクラ』を見る」に参加しました。

サブタイトルは「世界でただ1本の品種『カバザクラ』(石戸蒲ザクラ)と古くからのトマト産地 北本の旬を訪ね歩きます」です。


コースの概要は次のとおりです。

高崎線北本駅→北本市観光協会(受付)→真福寺(厄除け両大師)→北本自然観察公園→エドヒガンザクラ→自然学習センター(チェックポイント)→石戸蒲ザクラ→城ヶ谷堤→高尾さくら公園→高尾宮岡の景観地→高尾氷川神社→菜の花まつり→伝鎌倉街道「これより石と舟のみち」→北本市観光協会→北本駅


北本市観光協会



北本市観光協会

コースの歩行距離は約13km、歩行時間約3時間10分(施設での見学時間等を除く)、所要時間約3時間40分(施設での見学時間を含む)です。

花見をしながら散策しましたので、所要時間4時間(昼食休憩20分を含む)、約18000歩でした。



北本中学校の桜


今回のイベントは、石戸蒲ザクラがメインですので開花情報をチェックすると3月下旬が見頃になりそうでした。

しかしながら、このイベントは4月1日(月)〜7日(日)の7日間に設定されています。

できるだけ早いほうが良いと考え、天候に恵まれた4月1日に出掛けました。

駅からハイキングの受付の「北本市観光協会」は北本駅西口から真っ直ぐに伸びている道路を400mほど進んだところにあります。


北本市文化センター



真福寺

今回のコースは要所要所に案内表示が掲示されていましたので、細かいコースの説明は省略します。

「北本市観光協会」から駅と反対方向に進み、2つ目の信号を左折して北本中学校、北本市役所の傍を通って、案内表示にしたがって15分ほど進んだところが「真福寺」です。


「真福寺」は慈覚大師円仁の開基と伝えられる天台宗の古刹で、本尊は不動明王です。

寄木造・彫眼・彩色からなる仁王像は、安置する仁王門の建立名から安永3年(1774年)頃の作と考えられています。

真福寺は、
地元では「厄除両大師」と呼ばれています。

1月3日、2月3日に「だるま市」が開かれ、初詣や厄除け祈願の人で賑わいます。

本堂は建て直しの工事中でした。


真福寺



石戸小学校の桜



北本市西部公民館の桜



北本市西部公民館の桜

真福寺から前方に進み、「石戸両大師入口」の交差点を右折し、「石戸交差点」と「荒井1丁目」交差点の中間の信号のないY字路を左前方に進むと「石戸小学校」です。

「石戸小学校」の周囲は桜が咲き誇っており、桜に包まれた学校という感じです。


「石戸小学校」から200mほど進んだところが「北本市西部公民館」と「荒井公園」です。ここも見事な桜が咲き誇っています。

「北本市西部公民館」の傍に「自然観察公園」の公民館入口があります。

「自然観察公園」は、北本市内の荒川河川敷に接する大宮台地の開折谷に立地しており、雑木林や湿地など多様な自然が良好な状態で残されています。


北本市西部公民館の桜



自然観察公園



自然観察公園



自然観察公園

「自然観察公園」は、都市内における小動物のオアシスとなるべき良好な環境の確保を図ることを目的に、都市近郊の恵まれた自然環境を保全・育成し、その中で自然とふれあい、自然とともに学び、憩い、学べる場となる「自然生態観察公園」をめざして整備が進められています。

現在、計画面積32.9ヘクタールのうち21.7ヘクタールが開放されています。

都市の近くとは思いない自然に触れ合うことができました。


「自然観察公園」の遊歩道沿いに、北本市指定天然記念物のエドヒガンザクラがあります。

高さ29m、根回り3.2mの北本市内で一番大きな桜です。

ピンクの花が青空に映える姿は見事とのことですが、エドヒガンザクラは早咲きですから、残念ながらすでに散っていました。


自然観察公園のエドヒガンザクラ



自然観察公園



自然学習センター

「自然観察公園」の公民館口と反対側の入口の近くに「自然学習センター」があります。

自然について学習し、自然に対する理解と愛情を深めてもらうことを目的に設置された施設で、館内で自然の大切さをクイズや展示を通じて学ぶことができます。

また、自然観察会やバードウォッチングなどが季節ごとに開催されています。

今回の「駅からハイキング」のチェックポイントでした。



北里メディカルセンター病院付近の桜


「自然学習センター」の傍から「自然観察公園」を出て、右折して道なりに進むと道路の両側に見事な桜並木が連なっていました。

「北里メディカルセンター病院」前の道路です。

桜並木から案内表示にしたがって5分ほど進むと「石戸蒲ザクラ」のある「東光寺」です。


北里メディカルセンター病院付近の桜



天然記念物・石戸蒲ザクラ



天然記念物・石戸蒲ザクラ

「東光寺」は、川越東明寺の末寺で、「新編武蔵風土記稿」には阿弥陀堂と書かれています。

伝説では、源範頼の開基と伝えられ、宗派は時宗です。

境内には、国指定天然記念物「石戸蒲桜」をはじめ、県指定考古資料「板石塔婆」、市指定彫刻「堂造阿弥陀如来座像」など、多数の文化財が所在しています。

境内とその周辺地域は、鎌倉時代の館跡(城之内館)と考えられています。

「石戸蒲ザクラ」は、福島県三春の「滝桜」、山梨県山高の「神代桜」、岐阜県根尾谷の「淡墨桜」、静岡県狩宿の「下馬桜」とともに「日本五大桜」のひとつに数えられている名木です。

「蒲ザクラ(カバザクラ)」の名称は、鎌倉幕府を開いた源頼朝の異母弟「蒲冠者源範頼」の伝説に由来しています。一説には、範頼が石戸に来た時についてきた杖が根付いたのがこの桜で蒲冠者の名にちなんで「蒲ザクラ」と名付けられたといわれています。



天然記念物・石戸蒲ザクラ


天然記念物に指定された当時は4本の大きな幹に分かれ、根元の周囲は11mもあったと記録されています。

現在開花する幹は老木の株分けで、いわば2代目「蒲ザクラ」です。

エドヒガンザクラとヤマザクラの自然交配種と考えられています。

樹齢約800年です。


天然記念物・石戸蒲ザクラ



天然記念物・石戸蒲ザクラ

板石塔婆は、板碑・青石塔婆とも呼ばれ、鎌倉時代から室町時代末期にかけて多数つくられた供養塔です。

東光寺には22基の板石塔婆があり、かつては蒲ザクラの周囲に立てられていました。

「阿弥陀三尊種子板石塔婆」は、貞永2年(1233年)の銘をもつ、全国で4番目に古い板石塔婆です。



東光寺と石戸蒲ザクラ


正面に梵字で阿弥陀三尊と「光明遍照 十方世界 念佛衆生 摂取不捨」の偈(仏の功徳をたたえる詩)が刻まれています。

この他にも寛元4年(1246年)銘や建長3年(1251年)銘など、比較的古いものが多く、北本市の歴史を資料として貴重なものです。

これらは一括して「東光寺板石塔婆群」として指定され、東光寺境内の収蔵庫に保管されています。


東光寺



自然観察公園



自然観察公園

東光寺の裏手に回ると「自然観察公園」の南口があり、ここから再度「自然観察公園」に戻ります。

桜を眺めながら自然遊歩道を進んでいくと「一夜堤」があります。

「一夜堤」は、石戸城跡と谷をへだてた東側の台地とを結ぶ堤です。

石戸城は、室町時代の長禄年間(1457年〜1460年)頃に、岩付、松山、河越の各城との連絡のために築かれたものと伝えられています。


石戸城は扇谷上杉氏が築城した平城で、後北条氏の持ち城となり、江戸時代初めに廃城となっています。

永禄5年(1562年)の石戸城を巡る上杉氏と後北条氏の戦いの折り、毛利氏の守りは堅く、後北条勢は多くの死傷者を出したが、暗夜に乗じて城の東側の谷地に一夜にして土橋を築き、難攻不落の要害を誇った石戸城は、たちまちの内に落城したと伝えられています。


一夜堤



自然観察公園

一夜堤は長さ45m、幅5mで、現在は自然遊歩道の一部となっています。


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        風来坊


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