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大堰川の紅葉
小石川後楽園は水戸黄門ゆかりの大名庭園です。 江戸時代初期、寛永6年(1629年)に水戸徳川家の祖である頼房が、江戸の上屋敷の庭として造ったもので、二代藩主の光圀の代に完成した庭園です。 庭園の様式は池を中心にした回遊式築山泉水庭園になっています。
光圀は作庭に際し、明の儒者である朱舜水の意見をとり入れ、随所に中国の名所の名前をつけた景観を配し、中国趣味豊かなものとなっています。 また、各地の景勝を模した湖・山・川・田園などの景観が巧みに表現されています。
庭園の名前も、中国の「岳陽楼記」の中の「天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみに遅れて楽しむ」から「後楽園」と名付けられました。 小石川後楽園は小石川台地の先端にあり、神田上水の分流を引入れ築庭されました。 また光圀の儒学思想の下に築園されており、明るく開放的な六義園と好対照をなしています。
後楽園は昭和27年3月、文化財保護法によって特別史跡及び特別名勝に指定されています。 特別史跡と特別名勝の二重指定を受けているのは、都立庭園では浜離宮とここの二つだけです。 全国でも京都の鹿苑寺(金閣寺)、慈照寺(銀閣寺)、醍醐寺三宝院、奈良の平城京左京三条ニ坊宮跡、厳島を合わせ7ヶ所だけだそうです。
大泉水・沢渡り付近の紅葉:工事用土嚢が!
大泉水・沢渡り付近の紅葉
小石川後楽園には約4000本の樹木が植えられており、四季を通じてさまざまな風情を楽しむことができます。 秋には庭園内の各所に植えられている、250本のもみじが見事な景観を演出してくれます。
都内随一の紅葉の名所といわれている六義園のもみじが400本、旧古河庭園が200本ですから、小石川後楽園も都内有数の紅葉の名所ということができるかと思います。 小石川後楽園は、広い庭園内を散策しながら、大泉水の周辺、大堰川周辺、円月橋付近、内庭と随所で紅葉を楽しむことができます。
大泉水の紅葉
今年は残暑が厳しかったので紅葉の時期は遅いのではないかと思っていましたが、11月22日のテレビで「神宮外苑のいちょう並木が見頃」と放映されました。 随分早いなあと思いつつ、23日に神宮外苑を訪ねたところ青山通り付近は見頃前でしたが、絵画館に近い方はすでに見頃を迎えていました。 神宮外苑のいちょう並木を見た後、都立9庭園の年間パスポート更新のため、小石川後楽園を訪ねたところ、入り口付近のもみじは見頃前でしたが、庭園内に入ってびっくりです。
内庭の紅葉
すでに、大部分のもみじが見頃を迎えていました。 庭園内を案内されているボランティアの方に訪ねたところ「昨年は12月5日頃が見頃ですが、今年は花と同様に紅葉も早く、すでに見頃を迎えています」とのことでした。 この日はあしかがフラワーパークに行く予定でしたので、短時間で切り上げて、27日に再度訪ねたところ入り口付近のもみじも見頃を迎えていました。
小石川後楽園で、紅葉を楽しむことができるエリアの紹介です。 大堰川 この庭園で河の景色を代表する場所です。 その名は、京都嵐山の下を流れる大堰川にちなんでおり、昔は神田上水から水車で水を汲みあげて流していました。
大泉水 この庭園の中心的景観です。 蓬莱島と徳大寺石を配し、琵琶湖を表現した景色を造り出したもので、昔はこの池で舟遊びをしたといわれています。 今年は工事中のため、池に土嚢が積まれており、池に映る紅葉は撮影できませんでした。
円月橋 光圀があつくもてなした明の儒学者朱舜水が設計したといわれる石橋です。 水面に映る様子が満月のように見えるので、この名がつけられました。 今年は工事中で、周りが囲われていました。
内庭 水戸藩の書院の庭としてあった所で、昔は唐門をへだてて、大泉水のある「後園」と分かれていました。 江戸時代は「うちの御庭」と呼ばれた、池を中心にした純日本式の庭園です。 昔の姿をそのままとどめているといわれています。
この周囲は高層ビルが建ち並び、内庭の紅葉に日が射す時間は限られています。 27日に10時過ぎに訪ねたところ、内庭の紅葉に日射しが当たっていました。 ラッキーという感じです。
アクセス 都営地下鉄大江戸線飯田橋下車 徒歩2分 JR総武線・東京メトロ東西線・有楽町線・南北線飯田橋下車 徒歩8分 東京メトロ丸ノ内線・南北線後楽園下車 徒歩8分
小石川後楽園入口の紅葉 入口は大勢の人で賑わっています
小石川後楽園入口の紅葉
小石川後楽園の紅葉
入園料 300円 関連のホームページ 小石川後楽園 風来坊