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三島散策その2 柿田湧水群など (H25.8.14)

柿田湧水群


柿田湧水群



柿田川公園

初めて三島を訪ねましたので、源兵衛川のミシマバイカモを楽しんだ後、中郷温水池の西約1.5kmにある柿田川湧水群を訪ねました。

柿田川は三島市の西隣の清水町を流れる狩野川水系の、全長は約1.2kmの一級河川で、長良川、四万十川とともに日本三大清流に数えられています。



柿田湧水群(第1展望台から)


富士山は、幾度かの爆発を繰り返し、約1万年前の爆発でほぼ現在の姿になりました。

そして、約8500年前の大爆発で大量の溶岩を噴出し、柿田川の上流まで流れてきました。

「三島溶岩流」と名付けられたこの溶岩は、多孔質層で水を通しやすいという特徴をもっています。


柿田湧水群(第1展望台から)



柿田湧水群(第2展望台から) 湧水で砂が丸くふくらんでいます



柿田湧水群(第2展望台から)

その下の古富士火山の表層が水を通しにくいという特徴があるため、富士山周辺に降った雨や雪が三島溶岩流の間を地下水となって流下します。

そして、約40km離れた清水町の国道1号線の直下から湧き水となって現れます。

こんこんと湧き出る水量は、1日約100万トンと推定されています。



柿田湧水群(第2展望台から)


柿田川は、「21世紀に残したい日本の自然百選」「日本の名水百選」「国指定記念物(地質鉱物)」などに選定されています。

しかし、柿田川の周辺にも宅地化の波は押し寄せ、このまま放置すれば、川を保全することが極めて困難になることが懸念されたため、清水町では、「自然の保護保全」と「コミュニティ広場の確保」を目的に、柿田川公園の整備を進め、昭和61年(1986年)に開演しました。


柿田湧水群(第2展望台から)



柿田川上流(第2展望台から)

柿田川の上流部には、無数の水の湧き出る「わき間」があります。

柿田川公園の第1展望台は、柿田川の最上流部に設けられています。

第1展望台に立つと、透き通った水がきれいな水が緑の藻を左右に揺すりながら静かに流れているのを見ることができます。


第2展望台からは、川床から湧き出す水を見ることができます。

円形の水槽では、川床から湧き出す水をよく観察できます。

中央部の灰黒色の砂地では、川床から湧き出す水で砂が舞い踊っています。


貴船神社



湧水広場では子供が水遊びを楽しんでいます



船付場の湧き間



湧き間

湧水広場では夏になると水遊びを楽しむ親子連れで賑わっています。

ここでは水の中に足を入れて水の冷たさを肌で感じることができます。

湧水広場の近くに、通称船付場と呼ばれるわき間があります。

かつて製紙会社が使用していた2つの井戸の跡から、きれいな水が湧き出ています。



柿田川中流域 川面にはミシマバイカモが



柿田川中流域 川面にはミシマバイカモが


湧水の上に架けられた散策路の八つ橋からは、柿田川中流部の優雅な流れを眺めることができます。

中流部は、柿田川でもっと川幅が広く100mほどあります。

この付近は湿地各所に大小数十カ所の湧水口があり、そこからの湧水が幾筋もの清冽な小川を形成し、本流に合流しています。


柿田川中流域 川面にはミシマバイカモが



柿田川中流域 川面にはミシマバイカモが



ミシマバイカモ



ミシマバイカモ

本流を眺めると緑の草の上に白い花が咲いている光景を見ることができます。

柿田川を代表する植物の一つで、清涼な湧水の中の砂地に根を下ろしているミシマバイカモです。

ミシマバイカモは水の汚染に敏感で、柿田川でも中流・上流にしか育たないとのことです。

花の咲く時期は、一般に5月から9月頃までですが、柿田川では一年中咲きます。

柿田川の水温が、一年を通して15度前後で安定しているためかもしれません。



泉の館


八つ橋から対岸に見える施設は、静岡県企業局(駿豆水道)と沼津市水道の施設です。

清水町全域及び近隣の沼津市、三島市、熱海市、函南町の約20万人以上の飲料水として送られています。


泉の館の湧水



泉の館

泉の館(高野邸)は、柿田川公園の東に接する憩いの場です。

名水を使った蕎麦豆腐などの飲食店があります。

また、湧水を汲んで持ち帰ることもできます。


丸池及び境川・清住緑地

柿田川公園の100mほど東にある「清水町玉川」交差点から北方向に300mほど進んだ右手にある丸い形をした池が丸池で、玉川池とも呼ばれています。

この池は古くから存在していたようで、その名前は戦国時代の古文書にも見られるとのことです。

この池は湧水池で、池の水は灌漑用水として利用されています。


丸池



丸池の歴史を刻む石碑

池の中央に歴史を刻む石碑が建てられています。これによると

「文政8年(1825年)池の管理権を巡って、池のある玉川村と下流の6か村との間で水争いがありました。玉川村の池に対する勝手な振る舞いにたまりかねた6か村は、2人の代表を江戸奉行所に送りました。しかし、奉行所の取り調べは厳しく解決しないまま2人は客死してしまいました。事件はその後和解しましたが、6か村の人々は2人の命をなげうった行為に対し、長くその名をとどめるため、姓名をとった古安、平清神社を建て祀りました。」



境川のミシマバイカモ


丸池のとなりに「境川・清住緑地(朝比奈トンボの里)」があります。

案内板には「境川・清住緑地には、昔、トンボの研究で世界的に有名な朝比奈正二郎博士の別邸があり、湧水・湿地・水田など豊かな自然環境に囲まれ、さまざまな動植物が住んでいました。しかし住宅開発の拡大や洪水の発生により、次第に荒地が増えてしまいました。そこで、静岡県では境川の洪水調整を行い、自然公園的な機能をあわせ持つ「遊水池」として整備を進め、緑地は昔の原風景と水辺の自然環境を取り戻した」の説明がありました。

境川にはミシマバイカモが咲いていました。


境川のミシマバイカモ


三嶋大社


三嶋大社



本殿



舞殿

境川・清住緑地から東方向約1kmに三嶋大社があります。

三嶋大社は伊豆一宮で、ホームページに次のように記されています。

御創建の時期は不明ですが、古くより三島の地に御鎮座し、奈良・平安時代の古書にも記録が残ります。三嶋神は東海随一の神格と考えられ、平安時代中期「延喜の制」では、「名神大」に列格されました。社名・神名の「三嶋」は、地名ともなりました。


三嶋大社の御祭神は、大山祇命(おおやまつみのみこと)と積羽八重事代主神[(つみはやえことしろぬしのかみ)で、二柱の神を総じて三嶋大明神と称しています。

大山祇命は山森農産の守護神、また事代主神は俗に恵比寿様とも称され、福徳の神として商・工・漁業者の厚い崇敬を受けています。


神門



総門



厳島神社

中世以降、武士の崇敬、殊に伊豆に流された源頼朝は深く崇敬し、源氏再興を祈願しました。

神助を得てこれが成功するや、社領神宝を寄せ益々崇敬することとなりました。

この神宝の中でも、頼朝の妻、北条政子の奉納と伝えられる 国宝「梅蒔絵手箱及び内容品 一具」は、当時の最高技術を結集させたものとして知られています。


社殿は権現造で、境内には樹齢1200年の金木犀の大樹があり、国の天然記念物に指定されています。

また、源頼朝が例祭の夜に山木判官を討ち旗挙げに成功したという記録が残っており、境内には源頼朝が参詣の折に休憩したと伝えられる腰掛石があります。

宝物館には重要文化財の太刀等の歴史資料があります。


社務所



水上通りと桜川



三島 水辺の文学碑

三嶋大社から白滝公園までの水上通りの歩道には、太宰治や若山牧水など、三島ゆかりの文学者11名の句碑が並び、文学散歩を楽しむことができます。

歩道には柳が植えられており、隣を流れる桜川にはカモの親子がのんびり泳いでいます。

桜川の流れの中にも、ミシマバイカモを見ることができます。


また、水上通りの花壇はボランティアの方が管理しており、季節ごとに変わる花も見所です。

水上通りという名は、昭和の終わり頃まで白滝公園付近を「水上」と読んでいたことに由来しています。

白滝公園から約500mでJR三島駅です。


水上通りの花壇



水上通りと桜川


関連のホームページ


 清水町観光協会


 三島市観光協会




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      風来坊


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