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イタリアのクリスマス
クリスマス! 日本では家族と過ごすクリスマスというよりも、カップルで過ごす年末の一大イベントというイメージが浸透しているようですが、実はこれは日本だけなのです。 そもそもクリスマスは、イエス・キリストの誕生を祝うキリスト教のお祭りのことです。 キリスト教徒の多いヨーロッパでは、昔から宗教行事としてクリスマスを祝ってきています。
クリスマスイブからクリスマス当日にかけてお祝いする国が多いようです。 ミサでお祈りをしたり、家族とクリスマスディナーを囲んで過ごしたり・・・・・このような素朴なクリスマスが一般的なようです。 聖なる夜はファミリーで静かに祝うというのが欧米のクリスマスで、日本のお正月の雰囲気といえるかもしれません。
こうした世界のクリスマスの様子を楽しむことができるのが、毎年横浜山手西洋館で開催されている「世界のクリスマス」です。 各西洋館がテーマ国を決めて、その国の特徴的なクリスマス装飾と文化の紹介を行うイベントです。 今年は横浜山手西洋館7館と山手68番館及びみなとみらいのクロスパティオの9個所で行われました。
今年のイベント全体のテーマは、「アメージング メモリーズ オブ クリスマス」(Amazing memories of Christmas) 〜素敵なクリスマスを思い出して〜です。 このテーマに沿って、それぞれの国や人々の「歴史」に焦点を当てて「思い出の年のクリスマス」のワンシーンが演出されています。 期間中は、館の外観にはイルミネーションを施し光のファンタジーの演出も行われます。 また、コンサート、フラワーレッスン、リース作りなど、多彩な催しも開催されます。
今年の「世界のクリスマス2013」は、12月1日(日)〜12月25日(水)の間、開催されています。 開館時間は9時30分〜17時です。 ただし、12月21日(土)〜24日(火)の4日間は、19時まで開館時間が延長されますので、光の灯った飾り付けを楽しむことができます。
また、11月23日(土)〜12月31日(火)の間は、日没から23時まで山手西洋館のライトアップが行われます。 さらに、12月21日(土)は、日没から19時の間、イタリア山庭園キャンドルガーデンのイベントが開催されます。 今年は、イベントの下見を兼ねて12月5日に、山手西洋館7館及び山手68番館を訪ねました。
山手111番館は、「イタリアのクリスマス」で、テーマは「イタリア ナターレ」です。
イタリアではクリスマスを「Natale(ナターレ)」といい、厳粛でロマンティックな雰囲気に包まれます。 「家族が笑顔で顔を合わせ、クリスマスを迎える」ことを大切にしているイタリアの人々。そんな家族それぞれのアメージングなひと時をお届けします。
山手111番館は、大正15年(1926年)アメリカ人 J.E. ラフィン氏の住宅として現在地に建てられました。 ワシン坂通りに面した広い芝生を前庭とし、ローズガーデンを見下ろす建物は、ベーリック・ホールを設計したJ.H.モーガン氏です。
大正9年(1920年)に来日したモーガンは、横浜を中心に数多くの作品を残していますが、山手111番館は彼の代表作の一つと言えるものです。 赤い瓦屋根に白壁の建物は地階がコンクリート、地上が木造2階建ての寄棟作りです。 創建当時は、地階部分にガレージや使用人部屋、1階に吹き抜けのホール、厨房、食堂と居室、2階は海を見晴らす寝室と回廊、スリーピングポーチを配していました。
山手111番館
横浜市は、平成8年(1996年)に敷地を取得し、建物の寄贈を受けて保存、改修工事をおこない平成11年(1999年)から一般公開しています。 館内は昭和初期の洋館を体験できるよう家具などを配し、設計者モーガンに関する展示等も行っています。 ローズガーデンから入る地階部分は、喫茶スペースとして利用されています。
イギリスのクリスマス
横浜市イギリス館は、「イギリスのクリスマス」で、テーマは「The Royal Highest Joy 〜極上のひと時を心に刻んで〜」です。
若いロイヤルファミリーが新しい家族とともに迎える初めてのクリスマスは、いつまでも思い出の中で美しく煌めく。 伝統への敬意と気品に満ちた品々、イギリス館に住んでいた英国総領事の「心」表す品々も添えて。
横浜市イギリス館は、昭和12年に英国総領事公邸として現在地に建てられました。 鉄筋コンクリート2階建てで、広い敷地と建物規模は、東アジアにある領事公邸の中でも、上位に格付けされていました。
玄関脇にはめ込まれた王冠入りの銘版(ジョージY世の時代)や、正面脇の銅板(British Consular Residence)が、旧英国総領事公邸であった由緒を示しています。 昭和44年(1969年)に横浜市が取得し、1階ホールはコンサートに、2階集会室は会議等に利用されています。
平成2年に横浜市指定文化財に指定されました。 平成14年にリニューアルを行い資料展示室等が設けられ、一般見学できるようになりました。 建物の周りにはローズガーデンも整備され、バラの季節には特に美しい景観が楽しめます。
アクセス 山手111番館、イギリス館:みなとみらい線元町駅から徒歩約10分 外交官の家、ブラフ18番館:JR根岸線石川町駅から徒歩約5分 入館料 世界のクリスマスは全館無料です。
横浜市イギリス館
関連するホームページ 横浜山手西洋館 世界のクリスマスその2(エリスマン邸、山手234番館、ベーリック・ホール)へ 世界のクリスマスその3(山手68番館、ブラフ18番館、外交官の家、)へ 風来坊