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上野東照宮冬ボタン (H26.1.5&1.12)


上野東照宮ぼたん苑



上野東照宮ぼたん苑



上野東照宮ぼたん苑

上野東照宮ぼたん苑では、毎年1月1日から2月中旬までの予定で、冬ぼたんの一般公開が行われます。

今年は1月1日から2月23日(日)までで、開苑時間は午前9時30分から午後4時30分までです。

この間、休苑日はありません。


1月4日に上野東照宮の冬ボタンを見に行ったネットの友人の画像がネット上にアップされていました。

コメントはありませんでしたが、画像を見るとかなり咲いている感じです。

ということで1月5日に訪ねました。

見頃には少し早い感じでしたが、それでも多くの冬ボタンを楽しむことができました。


上野東照宮ぼたん苑



冬ボタン



冬ボタン



冬ボタン

上野東照宮は、元和2年(1616年)2月駿河城に徳川家康を見舞いに赴いた、藤堂高虎と天海大僧正が、危篤の家康公の病床で「末永く鎮魂できる場所を造って奉ってほしい」との遺言を受け、高虎の屋敷領地であった上野の山に、寛永4年(1617年)に本営を造営しました。


その後、3代将軍家光がこの屋敷に満足できず、慶安4年(1651年)に現在の社殿(金色殿)を造営し、以後江戸の象徴としました。

これが現存する上野東照宮です。

上野東照宮には、徳川家康公(初代)、徳川吉宗公(8代)、徳川慶喜公(15代)が奉られています。


冬ボタン



島錦



黄冠



蓮鶴

上野東照宮のぼたん苑は昭和55年(1980年)に日中友好を記念して開苑した回遊式日本庭園です。

当初は上海及び洛陽植物園から寄贈された中国ぼたんを中心に70品種でしたが、現在では日・中・洋合わせて約200品種、3000株のボタンが植えられており、ボタンの名所として多くの人に親しまれています。


冬ぼたんは約40種類、600株が公開されています。

古来よりその美しさと希少さから、新春の貴重な花として観賞されてきた冬ボタン。

雪除けのわら囲いの中で寒さに耐えながら可憐に咲く美しい花々は貴婦人の姿に例えられています。

上野東照宮ぼたん苑では、ぼたんの他に梅や水仙、ロウバイや寒椿も楽しむことができます。


日昇



島錦



黄冠



???

寒ぼたんと冬ぼたん

上野東照宮ぼたん苑や鶴岡八幡宮の神苑ぼたん庭園にこの時期に咲くぼたんを、風来坊は冬ぼたんとして紹介しております。

しかし、この時期に咲くぼたんには、厳密には寒ぼたんと冬ぼたんの2つの種類があります。


ぼたんには二期咲き(早春と初冬)の性質を持つ品種があり、このうち低温で開花した冬咲きのものが古来より寒ぼたんと呼ばれています。

寒ぼたんは、江戸時代に牡丹園芸家が寒の時期にも富貴花を咲かせようと品種改良をおこなった牡丹で、これらの種類が寒ぼたんの始めといわれています。


寒紫



八千代



花遊



寒紫

春につく蕾はつみ取り、夏の終わり頃に葉を摘み取って花期を遅らせ、藁の霜囲いをして暖かいところに保護すると冬に開花します。

寒ぼたんの花はその年の気象に大きく左右され、着花率は2割以下といわれています。


一方、冬ぼたんは、花の少ない冬にお正月の縁起花として抑制栽培技術を駆使して開花させたものです。

本来、春に開花する花を、春夏に寒冷地で開花を抑制し、秋には温度調節をして冬に備えるという作業を丸2年かけて行い、この時期を春だと思いこませて開花させたもので、春ぼたんと同じ品種です。

このため、ほかの花の開花が遅い年でも、冬ぼたんは概ね同じ時期に見頃を迎えます。


紫紅殿



聖代



聖代



島錦

寒ぼたんは、樹勢が弱くて栽培が難しいこと、安定して花を咲かせるまでには長い年月を要することなどから、上野東照宮や鶴岡八幡宮で見ることのできるこの時期のぼたんは、ほとんどが冬ぼたんです。

ぼたんで有名な奈良県の石光寺には、寒ぼたんが36種類300株あるとのことです。


冬ぼたんと寒ぼたんの違いを一目で区別する方法は、緑の葉があれば冬ぼたん、葉がなく花だけのものが寒ぼたんです。

石光寺の寒ぼたんを見ていただくと、上野東照宮の冬ぼたんとの違いがはっきりするかと思います。


 石光寺の寒ぼたん


八千代



八千代



八千代



冬ボタン

5〜6年前の1月6日の○○新聞の「彩事記」のコーナーに、「人工的に咲かせるといっても、冷蔵庫で1年間冬眠させた後、温室で温度調整して正月に咲かせるという手間暇をかけています」との上野東照宮ぼたん苑の苑長さんの話が掲載されていました。

したがって、上野東照宮ぼたん苑の冬ぼたんは、上野東照宮で栽培管理されていると思っていました。


一昨年、上野東照宮で冬ぼたんの栽培管理の方法を尋ねたところ、冬ぼたんは島根県の大根島で栽培したものを毎年持ってきて植えているとのことでした。

この栽培管理の方法は、鎌倉の鶴岡八幡宮でも同じです。


冬ボタン



島錦



島の藤



真昼間

大根島はぼたんの栽培で有名ですが、関東の冬ぼたんの名所2カ所の冬ぼたんがいずれも大根島で栽培されているとは驚きでした。

やはり厳密な温度管理の必要な冬ぼたんの栽培には、そのための施設と専門家が必要なためかと思います。

そのほかの場所で見ることのできる冬ぼたんも何処で栽培・管理されているか、機会があれば調べてみたいと思います。


いずれにしても、花の殆ど咲かないこの時期に、可憐に咲いて人の心を和ませてくれる冬ぼたんには、観賞したいと思う人達の期待に応えるため、その裏ではさまざまな努力や気遣いがあるようです。

この時期にぼたんの花を咲かせるためのさまざまな努力に、敬意を表せざるを得ません。

大根島で冬ぼたんの管理をされている皆さん、誠にありがとうございます。


蓮鶴



ロウバイ



ロウバイ

上野東照宮ぼたん苑の案内

開苑期間:1月1日〜2月23日
期間中は無休です。

開苑時間:午前9時30分〜午後4時30分(入園締切)

拝観料:大人600円、団体500円(20名以上)、高校生400円

上野東照宮との共通券:1000円



上野東照宮



上野東照宮ぼたん苑



アクセス

JR上野駅から徒歩5分 上野動物園の隣



関連するホームページ

 上野東照宮


       風来坊


冬ボタンの案内


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