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自衛隊観艦式
自衛隊記念日記念行事として行われる中央観閲行事「2015自衛隊観艦式」が10月18日、自衛隊最高指揮官である安倍晋三内閣総理大臣を護衛艦「くらま」に迎え、相模湾で実施されました。 観艦式は、自衛隊の最高指揮官である内閣総理大臣が艦隊を観閲することにより、部隊(隊員等)の士気を高め、国内外に自衛隊の精強さをアピールすること、また国際親善や防衛交流を促進すること、さらには国民の皆様に自衛隊に対する理解を深めていただくことを目的としているとのことです。
港を出港し浦賀水道を航行する護衛艦 漁を忘れて見学する漁船群
観艦式の起源は、1341年、英仏戦争の時、英国王エドワード3世が自ら艦隊を率いて出港する際に、その威容を観閲したことに始まるといわれています。 わが国では明治元年、天皇陛下を迎えし、大阪天保山沖で実施されたものが初めてで、当時は観兵式と呼ばれていました。当時の兵力は6隻、2,452トンに過ぎませんでした。 「観艦式」と初めて呼ばれたのは、第4回目にあたる明治33年(1900年)神戸沖で行われた大演習観艦式です。
次々と出港する護衛艦を見学する漁船群
陣形を整えながら相模湾に向かう護衛艦
イージス艦「こんごう」
帝国海軍最後の第19回観艦式は、昭和15年(1940年)横浜沖において実施された紀元2000年特別観艦式で、艦艇98隻622000トン、航空機527機が参加した極めて壮大なものでした。 海上自衛隊では、昭和31年(1956年)に「自衛隊記念日」が定められ、翌32年に「自衛隊記念日記念行事」の一環として観艦式を実施することとなりました。 今回の観艦式は28回目とのことです。
今回の観艦式には42隻の艦艇と、37機の航空機が参加しました。 海外からアメリカ、オーストラリアの艦艇が前回に引き続いて参加したほか、フランス、インド、韓国の艦艇、米軍のP-8哨戒機、MV-22オスプレイが初めて参加しました。
今回安倍総理が乗艦する観閲艦「くらま」
遙か彼方から受閲部隊が接近してきます
近付いてきました
観艦式開始です!
先頭は旗艦「あたご」です
今年の観艦式を、訓練支援艦「てんりゅう」に乗艦して見ることができました。 「てんりゅう」の乗艦受付は07:15~08:15ということで、早朝に自宅をでました。 手荷物検査などの諸手続を済ませて、「てんりゅう」が係留されている横須賀港船越岸壁に07:45に到着すると、岸壁に係留されている各艦艇にはすでに多くの人が乗艦しています。
続々と続いてきます
船越岸壁からは6~7隻が出港の予定で、出港時刻が艦によって異なるため、乗艦受付時刻も異なっているのです。 「てんりゅう」の出港時刻は09:00でしたが、08:30頃から逐次出港し始めました。
第1群 しまかぜ おおなみ
第2群 きりさめ さみだれ 第3群 いずも
海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」
船越岸壁を出港し20分ほどで東京湾の浦賀航路に入ります。 ヨットや小型漁船から大型貨物船まで、1日あたり400隻(平成23年)から700隻(平成17年)もの船が往来する世界有数の海上交通路です。 航行する船舶の数が多く、潮流も早いことから、日本周辺海域では有数の航海の難所といわれています。
第4群 潜水艦 ずいりゅう こくりゅう うずしお
この日は日曜日ということもあり、浦賀航路沿いに数多くの釣り船が出ており、しかも次々と出港する護衛艦を見るために航路に近寄ってきていました。 この日は海上保安庁の巡視船が、漁船が航路に近付かないように警戒に当たっていました。
潜水艦 こくりゅう
第6群 補給艦「ましゅう」 輸送艦「おおずみ」
補給艦「ましゅう」
浦賀航路を通り抜けて相模湾の方向に向かって航行すると、次々と艦艇が集まってきました。 観艦式に参加する艦艇は、横須賀港の吉倉桟橋と船越桟橋、横浜港の大さん橋と新港埠頭、木更津港の5つの場所から出港して観艦式会場の相模湾に向かっているのです。
輸送艦「おおすみ」
麻生副総理、観艦式主催者の中谷防衛大臣、実施責任者の武居海上幕僚長などを乗せた観閲艦の「くらま」は、09:30に横須賀港吉倉桟橋を出港し、「てんりゅう」を追い越して高速で前方に行きました。 11時過ぎに観艦式の観閲官である安倍内閣総理大臣を乗せたMCH-101掃海ヘリコプターで「くらま」に乗艦し、観艦式の準備が整いました。
搭載艇{LCAC」
外国からの参加艦艇 先頭は護衛艦「いまづち」
外国からの参加艦艇
オーストラリア STUART
観艦式は12時に開始になりました。 観艦式は観閲官の乗艦する「くらま」が西方向に進み、観閲を受ける部隊が東方向に進む形で行われました。 11時45分頃になると左前方に一直線に並んだ艦艇が見えてきました。 それぞれが時速20km程度で航行していますので、相対速力は時速40kmです。15分前ですと約10km前方ですが、護衛艦は大きいですから、すでにはっきり見えています。
フランス VENDEMIAIRE
インド SAHYADRI
観閲を受ける部隊(受閲部隊)は、イージス艦「あたご」を先頭に、護衛艦、潜水艦、掃海艦艇、補給艦、輸送艦、ミサイル艇など艦艇23隻が縦に並んで航行してきます。 その中でも、今年3月に就役したヘリ搭載護衛艦「いずも」のひときわ大きな姿は乗艦者の注目を集めていました。
韓国 DEAJOYOUNG
アメリカ CHANCELLORSVILLE
アメリカ MUSTIN
海上自衛隊の艦艇の後方には、外国から参加した艦艇が続きました。 先導艦の「いかづち」に続いて、オーストラリアのフリゲート「ステュアート」、フランスのフリゲート「ヴァンデミエール」、インドのフリゲート「サヒヤドリ」、韓国の駆逐艦「デ・ジョヨン」アメリカのイージス艦「チャンセラーズビル」とイージス艦「ムッセン」の6隻が祝賀航行しました。
観閲飛行
引き続き、後方から観閲飛行部隊の航空機が次々と飛来しました。 P-3C哨戒機を先頭に、SH-60J哨戒ヘリ・UH-60J救難ヘリの5機編隊、MCH-101掃海ヘリ、MH-53E掃海ヘリの3機編隊など海上自衛隊の航空機16機が飛来しました。 前方にいたため、後方から飛来する航空部隊はうまく写真が撮れませんでした。
観閲飛行を見上げて見学する乗艦者
輸送機MV-22オスプレイ
続いて陸上自衛隊の航空機が4機、航空自衛隊の航空機6機が上空を通過しました。 航空自衛隊のジェット戦闘機はあっという間でした。 その後、初参加の米海軍の哨戒機P-8ポセイドン、米海兵隊の輸送機MV-22オスプレイが祝賀飛行をしました。
反転するための回頭開始
これで艦艇・航空機の観閲が終了しました。 観閲終了後、観閲部隊は大きく180度旋回して東向きに進路を変更しました。 観閲部隊の左側を航行していた、観閲付属部隊も同様に回頭して東向きに進路を変えました。 この観閲部隊、観閲付属部隊の180度旋回して進路を変更する動きは、多くの艦艇をこれまでとは異なる角度で眺めることができて壮観です。
観閲艦「くらま」 安倍総理発見できず
掃海母艦「うらが」は傾いています
この日は台風25号により発生したうねりは相模湾にも届いており、一部の艦艇は回頭時に大きく揺れていました。 風来坊の乗艦した「てんりゅう」の前を航行していた掃海母艦も大きく揺れていて、乗艦している人たちは大丈夫かなという感じでした。
新しい航行陣形整形完了
平成27年度自衛隊観艦式その2へ 風来坊
イージス艦「あたご」