大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館

宇�ｷ宮市の北西部にある、「石の里」大谷を訪ねました。

宇�ｷ宮駅の観光案内所で大谷観光のことを訪ねると、「大谷観光一日乗車券」を利用するとお得です」とのことでしたので、関東自動車宇�ｷ宮駅前定期券センターで購入しました。

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館坑内入り口

この「大谷観光一日乗車券」は、公共交通機関を利用して宇都宮市を訪れる観光客が、二次交通を活用した市内周遊の促進を図るために、宇都宮市を代表する観光資源である大谷への路線バス一日乗車券と、代表的な観光施設である「大谷資料館」「大谷観音（大谷寺）」の入場券・拝観券とをセットにして割引を行い、乗車券を提示することで路線沿線の観光施設・飲食店・土産店で特典が受けられるという、バス企画乗車券です。

大谷資料館坑内への階段

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館

「大谷観光一日乗車券」関連パンフレットには、「大谷観光一日乗車券利用　オススメモデルコース」が案内されていました。

ＪＲ宇�ｷ宮駅→（バス）→資料館入り口→大谷資料館（入場）→大谷観音（拝観）→平和観音（見学）→大谷石体験館（買い物）→大谷観音前→（バス）→桜通り十文字→県立美術館（入場）→桜通り十文字→（バス）→東武駅前→来らっせ東武宇�ｷ宮展（昼食）→松が峰教会（見学）→宮カフェ（買い物）→二荒山神社（参拝）→来らっせ本店（休憩）→馬場町→（バス）→ＪＲ宇�ｷ宮駅→縁（買い物）

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館

今回は、このオススメモデルコースに沿って大谷エリアを散策しました。

宇都宮駅から「大谷、立岩」行きバスに乗車して約３０分で、「資料館入り口」の停留所に到着です。

停留所の目の前が「景観公園」ですが、まずは最初の目的地「大谷資料館」に向かいました。

「大谷資料館」に向かう道沿いもいろいろな形をした岩が露出しています。

位置確認のため天井に開けられた穴

大谷資料館

大谷資料館

手堀の跡

大谷町を中心に産出される大谷石は、東西約８ｋｍ、南北約３７ｋｍに分布しています。

地下２００ｍ〜３００ｍの深さまであり、埋蔵量は１０億トンと推定されています。

大谷石は今から約２０００万年前の海底火山の噴火により噴出した火山灰が海底に堆積してつくられたもので、地質学上の名称は「凝灰岩（ぎょうかいがん）」と呼ばれています。

大谷資料館

大谷資料館

大谷石の採石は江戸時代に農家の副業として始まり、明治時代に入り産業として発達しました。当初は露天掘りと呼ばれる地上に現れている岩を採石する手法を用いていましたが、現在の採石場所は地下数十メートルから百メートル以上もある坑内に移っています。

採掘された地下空洞の広さは、全体で東京ドームの１２個分に相当するといわれています。

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館の地下採掘場跡は、大正８年（１９１９年）から昭和６１年（１９８６年）までの約７０年をかけて、大谷石を掘り出して出来た巨大な地下空間です。

深さ３０ｍで、その広さは２万平方メートル（１４０ｍ×１５０ｍ）にも及び、野球場が一つ入ってしまう大きさです。

大谷資料館

大谷資料館

坑内の年平均気温は８℃前後で、地下の大きな冷蔵庫といった感じです。

戦争中は地下の秘密工場として、戦後は政府米の貯蔵庫として利用され、現在では、コンサートや美術展、演劇場、 地下の教会として、また写真や映画のスタジオとしても注目を集めています。

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館

採掘が本格的に始められた江戸時代の中頃から、機械化になる昭和３５年（１９６０年）頃までは、道具といえば、数本のツルハシ類と、石を運ぶときに使われた背負子ぐらいしかありませんでした。

ツルハシによる手掘り時代の採掘法では「六十石」（ろくとう）、厚さ１８ｃｍ、巾３０ｃｍ、長さ９０ｃｍを一本掘るのには、３６００回も腕を振るったといわれています。

（また、一人の石切り職人の採掘量は、１日で約１２本でした。）

大谷資料館

手堀り時代の１９５５年の年間生産量が２４万トンなのに対し、機械化された１９６０年は４５万トンと、約２倍近くにも増産されたとのことです。

大谷資料館は、大正８年（１９１９年）から昭和６１年（１９８６年）までの地下採掘場跡ですから、手堀の跡も残されています。

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館

大谷資料館駐車場

大谷資料館駐車場

大谷資料館駐車場

大谷資料館の入り口から洞窟状の階段を下がっていくと突然として眼前に広い空間が広がります。

坑内には、色鮮やかな灯りが設けられており、別世界に来た感じです。

地下採掘場跡には一方通行の通路が設けられており、暗くても迷うことなく進むことができます。

資料館入口から大谷資料館までの大谷石

資料館入口から大谷資料館までの大谷石

８月６日の宇�ｷ宮は気温３７度の猛暑日でしたが、坑内の気温は１２℃ということで、こちらも別世界でした。

地下に行く入り口の手前に資料室があり、各種資料が展示されていました。

また、大谷資料館の駐車場も採掘された跡地のようで、周囲には見事な大谷石の景観が広がっていました。

資料館入口から大谷資料館までの大谷石

大谷景観公園

大谷景観公園

大谷景観公園

大谷景観公園

「大谷資料館」から「資料館入り口」停留所まで戻ると、眼前が「大谷景観公園」です。

「大谷景観公園」は、姿川に沿って整備された公園です。

大谷景観公園

大谷景観公園

大谷景観公園

対岸には約２００ｍにわたって大谷石が露出した御止山の岩壁が聳えています。

園内にはベンチとテーブルがあり、自然を感じながらのんびりと過ごすことができます。

道路の反対側にも大きな岩がそびえ立っています。

「大谷景観公園」から南方向に２００ｍほど進んだ丁字路を左折して５０ｍほど進んだ左手が「大谷寺・大谷観音」です。

大谷景観公園

大谷寺

大谷寺・大谷観音

大谷寺・大谷観音

大谷寺は、平安時代初期の西暦８１０年に、弘法大師により本尊である大谷観音（千手観音）が彫られ開山したと伝えられています。

堂内岩壁面に厚肉彫に彫刻されている十躰の磨崖仏（千手観音・伝釈迦三尊像・伝薬師三尊像・伝阿弥陀三尊像）が、日本の石像彫刻中、最優秀なる技巧を究めたものとして、昭和２９年（１９４４年）に特別史跡に、昭和３６年（１９６１年）に重要文化財に指定され、日本で最初の二重指定を受けました。

本堂に入ると、御本尊である千手観音の石仏があります。平安時代初期の作で高さ約４ｍです。

千手観音立像は、岩壁面におおまかにお姿が掘られ、その上に朱を塗り、塑土(粘土)を塗って、目や鼻、手等が作られ、その上に漆を塗り、最後に金箔や彩色をして仕上げられたそうです。

現在は、江戸時代の火災等により、塑土が剥落してしまっていますが、一部に彩色の跡が残っています。

大谷寺・大谷観音

大谷寺・大谷観音

大谷寺

大谷寺

千手観音は、千手千眼観音とも言われるそうです。臂４０本（合掌の手２本を合わせて４２本）の１本１本が２５本の手を兼ねておりますので、「千の手（４０本×２５本）」となります。また、それぞれの手のひらには目が有り、いつも私達を見守ってくれています。

千手千眼でこの宇宙にあるすべての人々、生き物を救って下さる、有り難い観音様なのです。

奥に進むと、伝釈迦三尊像（平安時代後期作）、伝薬師三尊像（平安時代初期作）、伝阿弥陀三尊像（鎌倉時代作）があります。

釈迦如来は、脇侍に文殊菩薩と普賢菩薩を配しています。お堂から拝みやすいよう、上部を厚く、下部に行くほど薄く、遠近感が出るよう彫られているそうです。

薬師如来は、脇侍に日光菩薩と月光菩薩を配しています。

阿弥陀如来は、脇侍に観音菩薩と勢至菩薩を配しています。

残念ながら本堂内は撮影禁止ですので、写真で紹介することができません。

大谷寺

大谷寺

大谷寺

大谷寺

大谷寺は、鎌倉時代に入ると、坂東三十三観音の第１９番札所として人々の信仰を集め、宇都宮社の神職で鎌倉幕府の有力御家人でもあった、下野宇都宮氏の保護の下で隆盛しました。

しかし、豊臣秀吉により、下野宇都宮氏が改易されると、一時は衰退を余儀なくされましたが、江戸時代に入って、徳川家康の長女・亀姫様（奥平忠昌氏の正室）が、時の住職である伝海僧正（天海大僧正の法弟）による中興を援助し、現在の大谷寺の基盤が作られたとのことです。

観音堂の上にそびえたつ大谷石（凝灰岩）の岩は、自然により、弱いところが削られ、強いところが残り、このような奇岩となったのだそうです。

本堂左手奥の池の中央に弁財天が祀られています。

その昔、「大谷」と呼ばれていたこの地に、毒蛇が住んでいたことから、里人はここを「地獄谷」と呼んでいました。毒蛇が出す毒水により人々が苦しんでいたところ、東国巡錫中の弘法大師がこの話を聞き、秘法を持って毒蛇を退治しました。

この毒蛇が心を入れ替えて白蛇となり、弁財天にお仕えしています。参拝後に、白蛇の頭を撫でるとご利益があるといわれています。

大谷寺

平和観音

平和観音

大谷公園・親子がえる

大谷寺のすぐ隣が「大谷公園」です。

この場所は元々は大谷石の採石場でしたが、世界平和を祈念した平和観音が刻まれた後に、昭和３１年（１９５６年）に開園しました。

周囲の起伏に富んだ地形と松や広葉樹の自然林と相まって、独特の景観をかもし出している異色の公園です。

公園中央には「親子がえる」があり、参道の岩壁には「天狗の投げ石」「スルス石」などの奇岩があります。

大谷公園は、石像、採石場跡、奇岩などがあり、大谷全体の景観をコンパクトにまとめた公園です。

大谷公園・天狗の投げ石

大谷寺の南側に高くそびえる平和観音は、身丈２６．９３ｍの高さで、第２次世界大戦による戦没者の霊を弔い、世界平和を祈念するために、大谷観音の御前立（おまえだて）として彫刻されたものです。

昭和２３年９月から、大谷石の採石場であった壁面を利用し、総手彫りで６年の歳月をかけて造られました。

昭和３１年に、日光輪王寺門跡菅原大僧正により開眼供養が行われ、それ以降大谷の顔としてそびえ立っています。

大谷公園・天狗の投げ石

大谷公園・スルス石

大谷公園・採石跡

関連のホームページ

　宇�ｷ宮観光コンベンション協会

　宇�ｷ宮の観光

　大谷資料館


　　　　　　　　風来坊

大谷石体験館