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熱海梅園
「日本一早咲きの梅」で知られている熱海梅園では、「第71回熱海梅園まつり」が、1月10日(土)~3月8日(日)の予定で開催されていました。 熱海梅園では、毎年11月下旬~12月上旬に第一号の梅の花が開くとのことです。 さすがに日本一早咲きと言われるだけのことはあります。
熱海梅園は明治19年(1886年)に開園になりましたが、その由来は次のとおりです。 内務省の初代衛生局長であった長与専斎が、温泉療養施設「噏汽館(きゅうきかん)」の完成により、熱海に赴任した明治18年(1885年)に、次の提唱を行いました。 「温泉が良く病気に効くのは、ただその中に含まれている塩気や鉄精にばかりに頼らず、適度に運動するからである。もし、一日中室にいて、温泉に浸っていたら倦きもし、疲れもして、養生にならない・・・・・」
この遊歩公園造成提唱に応じた横浜の豪商・茂木惣兵衛らが出資し、地元の協力によって、現在地に約1万坪の土地を確保し、そこに紅白100種を超える梅3000株と、松、桧、楓を配し、3亭、5橋をもって、翌明治19年に梅園が完成しました。この梅園は、「茂木氏梅園」と命名され、「熱海梅園」と通称されて、当初から公開されました。 その後、皇室財産、国有財産を経て、昭和35年に熱海市に譲渡されています。
現在の熱海梅園は面積が約1万4千坪あります。 そこに59品種、472本の梅が植えられていますが、その内訳は早咲き272本、中咲き104本、遅咲き96本です。 早咲きの梅園というだけあって、6割近くの梅が早咲き、早咲きと中咲きを合わせると8割という構成になっています。
今年は熱海桜の見頃の時期に熱海を訪ね、その際に熱海梅園にも立ち寄ろうと考えていました。 ところが、熱海桜は順調に見頃を迎えつつありましたが、梅の開花は12月中旬以降の寒波の連続でやや遅れ気味のようです。 インターネットで調べると熱海桜は見頃ですが、梅は早咲きが8分咲き、中咲きは2分咲きという状況でした。
梅見の滝
見頃にはやや早いかもしれませんが、折角の機会で熱海梅園にも立ち寄ることにしました。 熱海梅園に到着すると、正面入口付近の梅は見頃を迎えています。品種を確認すると早咲きの冬至梅と八重寒紅でした。 園内に入ると咲いている梅はちらほらで少し早かったかなと思いましたが、奥の方に進むにつれて見頃の梅の木も多く、十分楽しむことができました。 早咲きの梅の木が多いだけのことはあります。
冬至梅
熱海梅園は、開園から130年の歴史を誇る梅園だけあって、記念碑、句碑、名木などが各所に配置されています。 梅園六名木の一つに、「貫一・お宮の梅」がありました。 金色夜叉 第7章 「熱海は東京に比して温かきこと十餘度なれば、今日漸く一月の半を過ぎぬるに、梅林の花は二千本の梢に咲き亂れて・・・・・宮は母親を連立ちて入來りぬ・・・・・」
八重寒紅
明治の文豪・尾崎紅葉の小説金色夜叉では、貫一とお宮とその母と、宮をよこどりした富山の4人の初の出逢いが梅園です。 貫一とお宮の梅はこれに因んで植えられたものだそうです。 貫一の梅(白梅) お宮の梅(紅梅)
青軸
八重野梅
熱海梅園の上流部分に「梅見の滝」があります。 園内を流れている初川の水を利用して造られた人工の滝です。 正面だけでなく、滝の裏側を通行でき、流れ落ちる滝の内側から園内を鑑賞することができます。
中山晋平記念館
熱海梅園には中山晋平記念館、香林亭、韓国庭園などの施設があります。 今回も中山晋平記念館を訪ねました。 中山晋平記念館は、作曲家・中山晋平が晩年を過ごした熱海市西山町の住居を、日本ビクターから熱海市が寄贈を受け、平成3年4月、当時のままの姿で、熱海梅園に移築したものです。
大正初期から大衆音楽の普及に大きな足跡を残した作曲家・中山晋平は、昭和19年に東京の空襲が激しくなったのを契機に熱海に移住し、昭和27年65歳でなくなるまで、熱海で作曲活動を続けました。 中山晋平記念館には、中山晋平が愛用していたピアノが保存されています。 このピアノからは、「船頭小唄」「「シャボン玉」「波浮の港」「あの町この町」「東京行進曲」「東京音頭」などの数多くの名曲が生まれております。
大盃
梅園の一番奥に韓国庭園があります。 この庭園は、平成12年(2000年)9月に当時の森首相と金大中大統領との日韓首脳会談が熱海で行われた際に、熱海梅園を訪れ園内を散策・歓談され、日韓の友好の絆を深めた事を記念して、日本と韓国の友好と世界平和が永久に続くようにと願い、朝鮮時代の伝統様式と手法を取り入れた庭園を造成したものです。
唐梅
新冬至
小梅系
庭園内には、方池円島・花階・煙家・友好平和記念碑・噴泉・チャントッテ・堂・大門・玉石張り土塀・瓦張り土塀・朴飛行士記念碑などがあります。 この韓国庭園の廻りにも多くの梅が植えられています。
鹿児島紅
梅園内には「梅園五橋」があります。 正面入口より、漸佳(ざんか)・迎月(げいげつ)・雙眉(そうび)・駐杖(ちゅうじょう)・香浮(こうふ)の5橋です。 このほか、平成21年に、澤田政廣記念美術館と韓国庭園を結ぶ連絡橋「梅園橋」が改正しました。 この橋から眺める梅園の景観はなかなかのものです。
甲州野梅
緋の司
長束
アクセス 電車 JR熱海駅から伊東線を利用→(約3分)→JR来宮駅→徒歩10分→熱海梅園 バス JR熱海駅から相の原団地行きバス(熱海梅園方面の案内板有り)→(約15分)→梅園前下車
入園料 300円(10名以上の団体は200円) 関連のホームページ 第71回熱海梅園梅まつり 風来坊
三吉野