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伊豆稲取 雛のつるし飾りまつり その1 (H27.3.2)


文化公園雛の館 雛のつるし飾り



文化公園雛の館 雛のつるし飾り



文化公園雛の館 雛のつるし飾り

江戸時代より今日まで伝承された、わが娘の幸せと健康を一針の糸、古い端切れに想いを託し祈りを籠めた素朴なひな祭り、つるし雛の風習は、親の子を思う心が形になった稲取だけの独自なつるし飾りです。

その伝統を現代に受け継ぐ、雛壇の両脇に儚く揺れる和裁細工は伊豆稲取の伝承文化といえるものです。



文化公園雛の館 雛のつるし飾り



文化公園雛の館 雛のつるし飾り


江戸時代においては、お雛様を購入できる裕福な家庭はまれで、せめて、お雛様の代わりに、愛する子供や孫のために手作りで、初節句を祝おうという、切ない親心から生まれたのが伊豆稲取の「雛のつるし飾り」の発祥の由来と言い伝えられています。


文化公園雛の館 雛のつるし飾り



文化公園雛の館 雛のつるし飾り

雛のつるし飾りには子供の健やかな成長を願う親の心が形を成しています。

稲取の飾り物には、それぞれに健康に起因する意味合いがあり、つるし飾りには親の願い事が形となって雛に籠められています。


稲取地区の吊るし飾りのもっとも古い物は、100年ほど前の吊るし飾りだそうです。



文化公園雛の館 雛のつるし飾り



文化公園雛の館 雛のつるし飾り


「雛のつるし飾り」は紅白の竹ひごの輪に5本の糸を吊し、この糸にさまざまな細工を施した、稲取地区独特の由来ある和裁細工55個を雛人形の脇に飾り付け、女の子の健やかな成長、良縁を願うひな祭りです。

雛壇の両脇に吊すため、二対で一組、計110個となります。


文化公園雛の館 雛のつるし飾り



文化公園雛の館 雛のつるし飾り



文化公園雛の館 雛のつるし飾り

伊豆稲取では、昭和30年初め頃まではつるし飾りを飾ってある家庭を数多く見かけましたが、近年は作品を作ることができる人が少なくなり、家庭でもあまり見かけることができなくなりつつありました。

近隣の町では、このつるし飾りを飾る風習がなく、稲取独自の美しい風習と思われるということで、是非この伝統を後生に残したいと、地元の稲取婦人会の皆さんが平成5年・6年度に婦人会のクラブ活動の一環として復刻し、11月には町民文化祭に百飾りを展示し、さらに発展させ、任期終了後には14名の有志とともに雛の会を発足させました。



文化公園雛の館 雛のつるし飾り



文化公園雛の館 雛のつるし飾り


一方、稲取温泉旅館協同組合は、この稲取独自の風習を観光資源として育てていきたいという思いから、雛の会の協力を得て、平成10年に「雛のつるし飾りまつり」を初めて開催し、現在に至っています。

平成13年には、「静岡観光大賞」にて大賞を受賞するまでに成長しており、今年が18回目の雛のつるし飾りまつりです。


文化公園雛の館 雛のつるし飾り



文化公園雛の館 雛のつるし飾り

雛のつるし飾りまつりは、今年は1月20日から3月31日までの約70日間開催されています。

雛のつるし飾りまつりは、2ヶ所のメイン会場「文化公園雛の館」「むかい庵」、2ヶ所の協賛会場「なぶらとと」「二ツ掘りみかん園」の計4ヶ所で展示が行われています。

「岬の館」は昨年閉館となり、会場が1カ所減少しました。


4つの会場は分散していますが、少し離れている「二ツ掘りみかん園」を除く、3つの会場は比較的短時間で歩いて廻ることができます。

今回は、次の順序で歩いて廻りました。

伊豆稲取駅→約20分→文化公園雛の館→約10分→なぶらとと→約10分→むかい庵→約10分→伊豆稲取駅


文化公園雛の館 雛のつるし飾り



文化公園雛の館 雛のつるし飾り



文化公園雛の館 雛のつるし飾り



文化公園雛の館 雛のつるし飾り

文化公園雛の館

文化公園雛の館には、約100対(=約11.000個)の雛のつるし飾りが展示されています。

文化公園雛の館は、「煌びやかな豪華な現代風飾り」をイメージして展示しているとのことです。

入口正面のジャンボつるし飾りは圧巻です。6009個の吊し雛が飾られています。


また、文化公園雛の館には、日本三大つるし飾りも展示されていました。

現在では、関東地方各地でみられる「つるし飾り」ですが、この雛の和細工のさげ物の風習は全国でも珍しく、九州柳川地区では「さげもん」、山側酒田地区では「傘福」、伊豆稲取地区では、「雛のつるし飾り」と呼ばれており、この三地区のみが歴史的な背景や由来、文献等、つるし飾りの資料が現存しています。

日本三大つるし飾りといわれています。


文化公園雛の館 雛のつるし飾り



日本三大つるし飾り



坂田傘福

過去の文献では、山形の酒田地区のものは当時、稲取が海上輸送の中継地になっていたため、柳川地区〜稲取地区〜酒田地区と伝わっていったと考えられていました。

また、江戸時代後期〜明治初頭にいった娘さんが稲取に伝えたという説もあり、最近の文献や当時の様子を記した書物などを考慮すると、どのような形で伝わったのかは不明ですが、江戸から稲取に伝わり、今に至っているようです。



柳川さげもんと稲取雛のつるし飾り


酒田傘福

山形県の庄内地方では、昔から「傘の中には霊が宿る。」と言われています。

そこからお祝いの席で、傘にいろいろな品物をつるす「傘福」が古くから風習としてあったようです。 例えば、足が丈夫になりたければ「わらじ」、頭が痛いのを治したければ「まくら」というように願い事をして吊るしていたようです。


柳川さげもん



稲取雛のつるし飾り

柳川さげもん

初節句の折に壇飾りの左右にたくさんの「さげもん」を、鴨居に紅白の布を巻いた竹竿を渡し、それに下げ、賑やかに祝います。「さげもん」は1さげに49個です。理由は「人生わずか50年。女は一歩下がって49年。」ということで49個になったと言われています。

江戸時代におじいさんやおばあさんが、かわいい孫の為に、はぎれ、麦わら、貝、紙などを使い、女の子の生活に必要なものを作って飾ったことから始められたようです。



文化公園雛の館


料金

文化公園300円、むかい庵200円、なぶらとと100円です。
二ツ掘りみかん園は無料です。


関連するホームページ

 
伊豆稲取の雛のつるし飾り

 稲取温泉旅館協同組合



文化公園雛の館



文化公園雛の館・つるし飾り




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