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南足柄市郷土資料館のひなまつり (H25.2.17)


郷土資料館のひな飾り



郷土資料館

森の会場の「郷土資料館ひなまつり」は、「南足柄市郷土資料館で」2月12日(火)〜3月31日(日)の間。開催されています。

「瀬戸屋敷ひなまつり」の開催されている3月3日(日)までは休館日はありませんが、その後は3月4日(月)、11日(月)、18日(月)、21日(水)、25日(月)が休館日となっています。

開館時間は午前9時から午後4時30分までで、最終入館は午後4時です。


南足柄市郷土資料館は、足柄森林公園「丸太の森」園内にあり、豊かな自然の中で、足柄地域の歴史と文化を紹介している施設です。

古代から近世にかけての東西交通の要衝・足柄越えの「足柄道」、「金太郎のふるさと伝説」で知られる南足柄の考古、歴史、文化を大型模型や映像を交えて、わかりやすく展示、紹介しています。


郷土資料館のひな飾り



郷土資料館のひな飾り



郷土資料館のひな飾り



郷土資料館のひな飾り

また、年4回特別展示が開催されており、その一つが今年で8回目を迎える「森のひなまつり」です。

今年は、江戸、明治、大正、昭和の各時代の御殿飾りや段飾り約60組が一堂に展示されています。

その展示数は神奈川県でもトップクラスとのことです。



郷土資料館のひな飾り


館内には市民などから寄贈された雛人形が展示されています。

明治・大正・昭和と、震災や戦争の中を守り伝えられたもの、長い年月の間に衣装が褪色したり、傷ついたり、道具が失われてしまったものもありますが、親から子、子から孫へと受け継がれ、現在郷土資料館で保存しているものが展示されています。


郷土資料館のひな飾り



郷土資料館のひな飾り



郷土資料館のひな飾り



郷土資料館のひな飾り

郷土資料館に展示されている雛人形は、男雛(お内裏さま)と女雛(おひなさま)の並び方が違います。

向かって右が男雛、左が女雛という伝統的な並び方から、向かって右が女雛という並び方に変わったのは、大正時代から昭和の初め頃とされています。



郷土資料館のひな飾り



郷土資料館のひな飾り


このため、郷土資料館では、明治・大正時代の雛人形は向かって右が男雛、左が女雛、昭和時代は現在の並び方としているとのことです。


郷土資料館のひな飾り



こまんばの雛人形



こまんばの雛人形

今年の特別展示は、特大雛「こまんばの雛人形」と「木者雛」です。

長野県阿智村の「こまんば(駒場)の雛まつり」に先駆けて、昨年に引き続いて今年も南足柄市に登場です。

特大雛「こまんばの雛人形」は「駿河雛人形」です。

「天神様もひなまつりに飾る」という大変珍しい雛人形です。


駿河雛人形

静岡県下では、3月3日のひな祭りに、内裏雛と一緒に、男子の生まれた家では、雛天神・五月人形などを飾る習慣があり、5月の端午の節句を兼ねる風習が残っています。

このことは「駿国雑志」(天保4年(1843年)編集)にもかかれており、駿河雛人形の持つ歴史の古さがわかります。

このように天神人形との関わりで生まれの中で育まれた静岡の雛人形は、「ひいなさん」と呼ばれ、愛されてきました。


こまんばの雛人形



こまんばの雛人形

京風を好んだ今川家や戦国を制した徳川家康の厚い保護を受けて栄えた商業地である静岡(府中)には、江戸や京から多くの職人や豪華な材料が集まり、駿河独自の衣装着た雛天神の技術が混ざり、江戸雛や京雛に負けない高い完成度を持つ様々な雛人形が誕生しました。



享保雛


今年も亨保雛と裃雛が飾られていました。


享保雛

享保雛は、江戸時代中期、亨保年間(1716年〜35年)に流行した50cm前後の大型の雛人形です。


裃雛



郷土資料館のひな飾り



郷土資料館のひな飾り



郷土資料館のひな飾り

「亨保雛」の名称は明治時代に付けられたもので、必ずしも亨保年間に作られたものとは限らないとのことです。

しかし、江戸時代の作品であり、非常に希少価値の高いもので、現存している数少ない人形の一つです。


男雛は束帯に似た装束で、両袖を左右に張っています。

女雛は五衣・唐衣に似た衣装で、袴は綿を入れ丸くふくらませて、両袖を左右に張り、冠をかぶり、檜扇を持っています。

男女とも面長の能面風の顔立ちで、この頃より墨で塗られていただけの頭部に髪の植え付けが一般化しました。


郷土資料館のひな飾り



郷土資料館のひな飾り



郷土資料館のひな飾り



郷土資料館のひな飾り

裃雛

幕末に岩槻市(埼玉県)の人形師・橋本重兵衛が考案したと伝えられる目の大きな童顔の裃を着た人形です。



郷土資料館のひな飾り


頭や手は練り物製で綿襦珍(襦子地に色糸の模様を浮き織りにした綿織物)の着物を着せた裃雛は、衣装着の雛人形に比べ安価だったため、明治時代から大正時代にかけて関東地方を中心に流行しました。

雛といっても一対のものではなく、女の子が生まれると親戚や知人から贈られたものでした。


郷土資料館のひな飾り



郷土資料館のひな飾り



郷土資料館のひな飾り



中野の土雛

南足柄のひなまつり

南足柄の昭和の初め頃の「ひなまつり」は、初節句に親元から贈られた雛人形とともに、仲人やカネオヤ、親戚などから贈られた「浦島太郎」などの人形を雛段に飾り、菱餅や白酒・アラレを供えました。

そして、仲人・カネオヤ・親戚・親元や組の人を招き、赤飯をふかし、餅をついて、ご馳走を振る舞い祝われたようです。


「羽子板」は、病気を跳ね除け、健やかな成長への願いを込めて女児の初正月に贈られるもので、さまざまな災厄を跳ね除ける意味からも正月に飾る習わしがありますが、足柄地方では昔から、ひなまつりにも「羽子板」を飾ります。

かつては親戚などからも贈られたため、複数枚の華やかな羽子板が雛段に添えられました。

さらに、足柄地方では、美しい娘姿の「女物」の羽子板に、曽我五郎や弁慶といった「男物」羽子板を一対にして贈る珍しい慣わしもあります。


なお、南足柄の内山地区では、4月3日(旧暦)にひなまつりが行われています。


古博多の土雛



佐土原の羽子板 青島神社の神雛と絵馬



郷土雛と羽子板

カネオヤ

明治時代以前は、結婚した女性は歯を黒く染めたため、初めて歯を染める時、その世話をする女性のことをカネオヤといいます。

仲人とは別に、親戚や知人などから選ばれ、親代わりとなりさまざまな世話をしました。

お歯黒をしなくなってからも「カネオヤ」の風習は昭和中頃まで見受けられました。



木者雛


木者雛

郷土資料館から古民家に向かう坂道の途中に丸太のお雛様オブジェ「木者雛」が立ち並んでいました。

特別展示は3月3日までです。


郷土博物館から古民家への道



古民家



古民家

ひなまつり期間中には、古民家・暖かなおもてなし、森のコーラス、和太鼓演奏、ひなまつり折り紙等の販売、お土産販売などのイベントが開催されています。

古民家でもひな飾りを見ることができました。

また、古民家では囲炉裏を囲んで休憩することができます。



古民家のひな飾り


アクセス

伊豆箱根鉄道大雄山線「大雄山駅」から、道了尊行きバス(おんりーゆー経由)で、「おんりーゆー」下車、徒歩6分

大雄山駅発のおんりーゆー経由のバスは1日8本程度です。

時刻表等の細部は郷土資料館のホームページに掲載されています。


古民家のひな飾り



古民家

シャトルバス

郷土資料館と瀬戸屋敷ひなまつり会場との間で無料シャトルバスが運行されています。

2月15日(金)〜2月18日(月)は30分間隔

2月19日(火)〜3月3日(日)は20分間隔

細部は次のサイトの「交通アクセス」に掲載されています。


入館料

300円


関連するホームページ

 南足柄市郷土資料館




 里のひなまつりへ



  風来坊


古民家


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