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多摩川夢の桜街道と東京の造り酒屋をめぐる (H25.4.5)


羽村堰入り口付近の桜並木



羽村観光案内所 前方が羽村駅

JR東日本の「駅からハイキング」のイベント「多摩川夢の桜街道と東京の造り酒屋をめぐる」に参加しました。

サブタイトルは「多摩川の桜と玉川上水、地元の酒蔵を巡るウォーキング。美しい桜と東京の地酒で春を楽しみませんか?」です。


コースの概要は次のとおりです。

JR青梅線羽村駅→市民パトロールセンター(受付)→羽村堰入口→玉川上水桜並木(72番札所)→田村酒造場→福生多摩川堤防桜並木(71番札所)→福生南公園→石川酒造→拝島駅(ゴール)


羽村観光案内所から禅林寺へ下り坂



禅林寺

コースの歩行距離は約8km、歩行時間約2時間(施設での見学時間等を除く)です。

所要時間2時間15分、約11000歩でした。

残念ながら、桜は見頃を過ぎていました。


JR青梅線羽村駅に到着すると、関係者の方が「受付場所は少し離れています。矢印にしたがって進んで下さい」と案内しています。

今回の「駅からハイキング」のイベントは、本日のみ開催日のイベントですから、多くの方が参加されており、参加者の列に混じっていると3分程度で受付に無事到着しました。

今回の受付場所は、羽村駅西口から前方に300mほど進んだ「羽村観光案内所」のすぐ裏手でしたが、受付付近の混雑を避けるために、羽村駅から裏道を通って受付に案内していました。


禅林寺



禅林寺

「羽村観光案内所」の傍の交差点を横切って、羽村駅と反対方向に進むと緩い下り坂となります。
下り坂を300mほど進んだ左手が「禅林寺」です。

「禅林寺」は臨済宗建長寺派の寺院で、文禄2年(1593年)の創建です。

「禅林寺」は大菩薩峠の作者、中里介山の菩提寺です。



玉川上水と桜


「禅林寺」で左折し、200mほど進むと「羽村堰入口」の交差点で、左右に走っているのが奥多摩街道です。

奥多摩街道を横切ったところの橋の下を流れているのが玉川上水で、橋を渡って右手に300mほど進んだところが「羽村取水堰」です。


羽村取水堰入り口付近の桜



羽村取水堰 左が投渡堰 右が小吐水門



羽村取水堰 一番奥が固定堰



羽村取水所上流から 左が固定堰、右が投渡堰

「羽村取水堰」は、多摩川の水をせき止め玉川上水に取り入れるための堰です。羽村取水堰は、その美しさから「羽衣の堰」とも呼ばれていました。

玉川上水は承応2年(1653年)、江戸の人口増加に伴う水不足解消のため、江戸幕府が松平伊豆守信綱を総奉行として造られた用水です。

玉川上水は、羽村から新宿区の四谷大木戸まで約43kmあります。


羽村取水堰は、固定堰と投渡堰(なげわたしぜき)の2つの堰で構成されています。

投渡堰とは、堰の支柱の桁に丸太や木の枝を柵状に設置する方法であり、大雨で多摩川本流が増水した場合、玉川上水の水門の破壊と洪水を回避するために、堰に設置した丸太等を取り払って多摩川本流に流す仕組みになっています。

この仕組みは堰が設置された承応3年(1654年)からほぼ変わらず現在に至っています。


 羽村取水堰 固定堰



玉川上水 水量の多さにびっくりです



玉川上水

第1水門は、多摩川の水を玉川上水に取り入れるための水門です。大水の時などはこの第1水門を閉めて土砂などの浸水を防ぎます。

第2水門は、第1水門で取り入れた水を一定の水量にして玉川上水に流すための水門です。

余った水は、脇の小吐水門から多摩川に戻しています。


玉川庄右衛門・清右衛門兄弟は、測量技術の未発達な時代に、約43kmの水路をわずか8ヶ月余りで完成させました。その功により「玉川」の姓が許され、武士と同身分の扱いになりました。

羽村取水堰に玉川兄弟の銅像が建立されています。


はむら桜まつり会場



はむら桜まつり会場

羽村では「はむら花と水のまつり2013」が開催されていました。

今年は花の開花が早いため、開催時期が少し早められて、前期のさくらまつりが3月27日〜4月15日、後期のチューリップまつりが4月5日〜4月25日です。

ということで、「駅からハイキング」の4月5日は、2つのイベントが開催されていました。



はむらチューリップまつり会場


玉川上水土手、羽村取水堰周辺に約200本の桜が咲いており、桜まつり会場となっています。

しかしながら、桜はすでに見頃を過ぎていました。

「チューリップまつり」の会場は、羽村取水堰から500mほど上流にあり、今回のコースには含まれていません。

折角ですので、立ち寄ったところ。チューリップの開花も早いようで、随分咲いていました。


チューリップまつり会場付近の桜並木



玉川上水桜並木

羽村取水堰から玉川上水に沿って約1kmに渡って桜並木が続いており、そこを過ぎると青葉の並木に変わります。

青葉の並木を1Kmほど進むと宮本橋で玉川上水沿いの右岸の散策路はここで終了です。

宮本橋を右折して、玉川上水から離れて100mほど進むと「田村酒造場」です。



田村酒造場



田村酒造場


田村酒造場は、文政5年(1822年)、田村家9代目勘次郎の手により造り酒屋として家業を興し、蔵元としての歩みを始めました。

代表的な銘柄は「嘉泉(かせん)」です。

敷地内の大ケヤキの傍らの井戸から湧く水は、酒造りに最適の中硬水で、現在でも仕込み水として使用されています。


田村酒造場



田村酒造場

また、敷地内を流れる田村分水は、慶応3年(1867年)に江戸幕府から取水権を得て、玉川上水から引かれたものです。

「田村酒造場」から300mほど進むと多摩川に出ます。

永田橋の少し上流です。



福生多摩川堤防の桜並木



多摩川中央公園


永田橋を過ぎると桜並木が始まります。

福生多摩川堤防の桜並木です。

永田橋から睦橋までの多摩川沿い約2.5kmにわたって、約500本の桜が植えられており、福生市一番の桜の名所です。


永田橋



見事な枝垂れ桜

毎年3月下旬から4月初旬にかけて、明神下公園で桜まつりが開催されます。

桜まつりでは、おはやし、野だて、吹奏楽団の演奏などが行われます。

また、堤防沿いでは、消防少年団鼓笛隊パレードや民踊パレードが繰り広げられます。

桜まつり期間中は、全長約2Kmに800個の提灯が設置され、明神下公園本部前ではライトアップも楽しむことができます。



福生多摩川堤防の桜並木


今年は桜の開花が早く、4月5日の時点で、すでに見頃を過ぎていました。

河川敷の多摩川中央公園には花壇なども設けられており、菜の花やチューリップが見頃を迎えていました。


福生多摩川堤防の桜並木



千手院



千手院

睦橋を潜ったところが「福生南公園」です。

「福生南公園」は多摩川沿いの細長い公園で、バーベキュー広場、じゃぶじゃぶ池、野球場などがあります。

また、健康遊具も点々とあり、運動公園としても市民に親しまれています。


今回は、「福生南公園」の入口を左折し、案内にしたがって細い路地を入っていくと「千手院」があります。

千手院は室町時代終わり頃の開基と伝えられる古刹です。

寄棟造、瓦葺の本堂は江戸初期の創建といわれています。

山門の外側に見事な枝垂れ桜が咲いていました。


千手院の枝垂れ桜



石川酒造



石川酒造

千手院から案内にしたがって100mほど進んだところが「石川酒造」です。

「石川酒造」は文久3年(1863年)に蔵元としての歩みを始めました。

明治13年(1980年)に現在地に酒蔵を建ててから130年余りを経過しており、敷地内の本蔵、新蔵、長屋門を含め6棟の建物が国登録有形文化財になっています。

代表的な銘柄は「多満自慢(たまじまん)」です。



石川酒造 左が本蔵 前方が新蔵


敷地内に入ると歴史を感じさせる土蔵が建ち並び、まるで別世界に来た感じです。

これらの土蔵や敷地内を流れる熊川分水を見学することができます。

また、敷地内にはレストランや売店もあります。

「福生のビール小屋(レストラン)」では、できたて地ビール「多摩の恵」や地酒「多満自慢」や蔵元限定のお酒などを味わうことができます。

酒蔵見学には予約が必要です。


石川酒造 長屋門



石川酒造 酒世羅

敷地内に「麦酒釜の館」がありました。

明治20年(1887年)にビール醸造事業に着手し、翌年「日本麦酒」の商標で麦酒を発売しましたが、時期尚早であったため、ビール醸造は僅かな期間しか行われなかったとのことです。

ビール釜はその時使用してものだそうです。



石川酒造


石川酒造



麦酒釜の館



「石川酒造」から約20分で、今回のゴール「拝島駅」の到着です。



        風来坊


石川酒造入口


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