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長興山紹太寺の枝垂れ桜
長興山紹太寺
小田原市の長興山紹太寺に枝垂れ桜を見に行ってきました。 長興山紹太寺は、江戸時代初期の小田原藩主だった稲葉氏一族の菩提寺です。 当初は、小田原城下山角町にありましたが、第2代稲葉美濃守正則が寛文9年(1669年)、幽邃境として知られた現在地に移建し、山寺号も「長興山紹太寺」と称し、父母と祖母春日局の霊をとむらいました。
開山は、京都宇治の黄檗山万福寺で隠元禅師のもとで修行に励んでいた名僧鉄牛和尚で、当時は、東西十四町七十間、南北十町十六間という広大な寺域に、七堂伽藍が配置され、黄檗宗では関東一の寺院でした。 しかしながら、これらの堂塔は弘化4年(1847年)、安政年間(1854年〜59年)、さらに明治の火災で焼失しました。
長興山紹太寺本堂
360段の石段の続く参道
現在の長興山紹太寺は、長興山紹大寺の参道沿いにある子院の一つである清雲院です。 この清雲院は、火災の難を逃れ、本寺である紹大寺の法灯を守り現在に至っています。 山門前にある「松樹王」の刻銘石は、東海道の風祭と入生田の境にあった境界石です。 紹太寺の広大な寺領には、7箇所あったと伝えられる「長興山の七つ石」の一つです。
茅葺きの本堂の右手に、石段と石畳とを繰り返す参道があります。 石段を310段ほど上ると石橋(透天橋)があります。 さらに石段を50段上ったところに、「稲葉氏一族と春日局の墓」があります。 石段が苦手の方は、参道入口の右側の坂道を上っていくと、長興山紹太寺枝垂れ桜に行くことができます。
透天橋 ここからは残り50段
春日局の墓所
墓所の手前を右折して杉林の間を進んでいくと、小さな沢があり、その先に左手に「鉄牛和尚の寿塔」があります。 これは、鉄牛和尚が60歳を迎えた貞享4年(1687年)に、紹太寺二世の超宗和尚が先師の長寿を願って建てたものです。 この寿塔一帯の樹叢は、神奈川県で数少ない貴重な自然林となっています。
小田原市指定天然記念物の「長興山紹太寺のしだれ桜」は、寿塔のすぐ近くです。 「春を忘れぬ形見に」と、稲葉正則が植えたもので、樹齢約320年です。 樹高は約13mで、毎年4月初旬に、巨大な花傘を広げたように開花します。 「かながわ名木百選」に選定されています。
鉄牛和尚の寿塔
長興山紹太寺の枝垂れ桜は、本州中部以西に生えるエドヒガン(ウバヒガン、アズマヒガン)の変種で、枝が垂れ下がる点が特徴です。 また、桜の種類のうちでも寿命が長く、大木になり、特異な樹形となることから、神社や寺院の境内によく植えられ、小田原市内でも早川の真福寺、下大井の保安寺、小田原城内の二宮神社などに見ることができます。
アクセス 箱根登山線入生田駅から徒歩約20分 駐車場:長興山紹太寺の傍に臨時駐車場がありますが、駐車台数が少ないです。 関連のホームページ 長興山紹太寺 風来坊
長興山紹太寺の枝垂れ桜に隣接する枝垂れ桜