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多摩川二ヶ領宿河原堰
駅からハイキング受付
JR東日本の「駅からハイキング」のイベント「水と緑と歴史のまち川崎市多摩エリアをハイキング」」に参加しました。 サブタイトルは「生田緑地ばら苑や二ヶ領用水など豊かな自然を肌で感じてください」です。 細部説明は「多摩川沿いにある豊かな自然を持つ川崎市多摩区(登戸)。期間限定で一般公開中の「ばら苑」をはじめ、歴史ある用水路、生田緑地内の様々な施設を巡りながらゆっくりお楽しみください。」となっています。
コースの概要は次のとおりです。 JR登戸駅(受付)→多摩川沿い→二ヶ領用水→藤子・F・不二雄ミュージアム前→生田緑地ばら苑→生田緑地→登戸民家園通り商店街→JR登戸駅(ゴール)
登戸駅北口の歩道橋
歩道橋から この道を真っ直ぐ進むと多摩川土手に 今回は赤い車の先を左方向へ
コースの歩行距離は約9km、歩行時間約3時間(施設での見学時間等を除く)、所要時間約4時間30分(施設での見学時間を含む)です。 写真を撮りながらの散策でしたが、所要時間3時間45分、約1万4500歩でした。 生田緑地ばら苑や日本民家園をゆっくり見学すると、所要時間は4時間30分〜5時間程度になるかと思われます。
今回は募集定員2000名のイベントでしたが、受付10分前に登戸駅に到着したところ、すでに200名程度の列ができているという盛況ぶりでした。 9時少し前に受付が開始になり、9時少し過ぎにはスタートできました。 建物の2階にあるJR登戸駅改札口(受付)から北側に出て、歩道橋を渡り、階段を下りて東方向に道なりに300mほど進むと多摩川土手にでます。 今回は階段を下りて50mほど進んだところを左折して多摩川土手に出ました。
「登戸の渡し」の標識
多摩川土手遊歩道
多摩川土手に出たところに多摩川の水を取り入れる施設があり、その傍に「登戸の渡し」の表示が立っていました。 多摩川の登戸から丸子の間には、「登戸の渡し」「宇奈根の渡し」「二子の渡し」「下野毛の渡し」「宮内の渡し」「丸子縄田氏」など、数多くの渡しがあったようです。 「登戸の渡し」は、津久井往還の多摩川を渡る渡し場で古くはここも大山道の一つであったとのことです。
「登戸の渡し」の表示柱から下流に300mほど進んだ多摩川にあるのが「二ヶ領宿河原堰」です。 「二ヶ領宿河原堰」は、多摩川右岸側の最下流にある利水施設で、ここから取水された多摩川の水は「二ヶ領用水」へと分水されます。 何回かの変遷を経て、現在の堰は平成11年に完成した可動式のゲートを備えた堰です。
二ヶ領宿河原堰
二ヶ領用水取水口
堰の上流側に「二ヶ領せせらぎ館」があります。 「二ヶ領せせらぎ館」では、ミニ多摩川水族館、二ヶ領宿河原堰模型、大型モニター画面、情報端末機などの常設設備のほか、企画展示が開催されます。
多摩川河川敷の散策路
「二ヶ領宿河原堰」から多摩川の河川敷の散策路を下流に800mほど進むと、河川敷の散策路は終わりで、散策路は右折して多摩川土手に出ます。 土手の上に出ると河川敷にはテニスコートや野球場が整備されていますが、散策路との間には木立があって、河川敷の散策路からテニスコートなどは見えませんでした。
河川敷のテニスコート
この階段を下りて路地を進みます
多摩川土手を上流に向かって100mほど戻ると、土手から街並みに降りる階段があります。 階段を下りた左手が「県立多摩高校」で、右手がNECの施設です。
細い路地を「県立多摩高校」の敷地に沿って進み、正門の前を右折し50mほど進んだ信号を左折し、100mほど進んだ最初の信号を右折して、道なりに200mほど進むと左手方向に南武線の踏切があります。
駐車場に素敵な花壇が!
二ヶ領用水散策路
川崎市緑化センター
南武線の踏切を渡って、3本目の電信柱を斜め右方向に50mほど進むと「二ヶ領用水」に出ます。 右折して「二ヶ領用水」を上流に向かって100mほど進んだ右手が「川崎市緑化センター」です。 「川崎市緑化センター」は、二ヶ領用水を挟み東園と西園からなる植物園です。 温室や植物の展示場、噴水、水車などがあり、春は桜のお花見スポットとしても人気の場所です。
このほか、ツバキ、サツキ、ボタン、ハナショウブなど、どの季節に訪れても四季の花々が楽しむことができます。 今回はサツキの展示が行われていました。 川崎市緑化センターは、JR宿河原駅を起点として、二ケ領用水、妙楽寺(アジサイ寺)等覚院(ツツジ寺)などを巡る長尾の里めぐりのコースとなっています。
二ヶ領用水
「二ヶ領用水」は、多摩川に上河原堰、宿河原堰の2個所の堰で取水し、JR南武線久地駅近くで合流し、川崎市全域を流れる用水路で、幹線水路の全長は約32kmです。 二ヶ領用水は、天正18年(1590年)に多摩川が大洪水を起こして流路を変えたことから、新たに農業用水を引き、水田を開発するために造られました。 関ヶ原の戦いがあった3年前の1597年に測量が始められ、その2年後に開削工事に取りかかり、測量開始から14年後の慶長16年(1611年)に完成しました。 JR南武線沿線のこの地域は、この用水によって農業地帯として発展しました。
時の流れとともに、二ヶ領用水の沿川は宅地化が進んでおり、工業用水などに用いられるとともに、近隣住民の憩いの場としても親しまれています。 「二ヶ領用水」という名称は、川崎領と稲毛領の「二」つの「領」にまたがって流れたことに由来します。 二ヶ領用水と対岸の世田谷領・六郷領を流れる六郷用水を合わせて「四ヶ領用水」と総称することもあります。
今回の散策コースに含まれている「二ヶ領用水」は、宿河原堰で取水し、宿河原町内を流れて久地に至る宿河原用水です。 この宿河原用水沿い約3kmにわたって約400本の桜が植えられており、春には素晴らしい桜並木を楽しむことができます。 今回を青葉の桜並木の散策となりました。
宿河原駅入口からさらに200mほど上流に遡ったところで「二ヶ領用水」と別れ、真っ直ぐに伸びている幅広い道路を左手方向(南方向)に500mほど進むと「長尾橋」の交差点です。 交差点を右折し、200mほど進んだ左手が「藤子・F・不二雄ミュージアム」です。
藤子・F・不二雄ミュージアム
「藤子・F・不二雄ミュージアム」は、長年多摩区に住み、「ドラえもん」などの数多くの名作を生み出した漫画家、漫画家藤子・F・不二雄氏の作品世界やメッセージを幅広い世代に伝えていく文化施設です。 原画の展示や短編オリジナル映像の上映、まんがコーナー、キャラクターに会える「はらっぱ」など、見所沢山です。 日時指定による完全予約制ですが、大人気のようで時間前から入館待ちの方が大勢並んでいました。
「藤子・F・不二雄ミュージアム」から100mほど進んだ左手が「生田緑地ばら苑」への入口です。 「生田緑地ばら苑」は丘の上にあり、この入口から長い坂道を上り、さらに階段を登ったところが、正面ゲートです。
生田緑地ばら苑への上り坂
生田緑地ばら苑への階段
生田緑地ばら苑
「生田緑地ばら苑」は、小田急向ヶ丘遊園の閉園に伴い、園内に整備されたばら苑を、存続を求める多くの市民の声に応え、平成14年(2002年)に川崎市が引き継いだものです。 生田緑地の中に位置する「生田緑地ばら苑」は、周囲を多摩丘陵の樹林地に囲まれ、360度の緑のパノラマと清涼な空気が体感できる「秘密の花園」として親しまれています。バラの開花時にあわせ、春と秋の年2回開苑されます。
「生田緑地ばら苑」の歴史は古く、向ヶ丘遊園オープン開業30周年記念行事として、昭和33年(1958年)に開園されました。 当時は「東洋一のばら苑」と賞されました。
苑内にはバラ文化の豊かさを示す代表的な四季咲き大輪種(ハイブリッドティー)、四季咲き中輪種(フロリバンダ)や、つるバラ(クライミングローズ)、四季咲き小輪種(ミニチュア)などが植栽されています。 これらのバラの育成管理については、多くの市民ボランティアによって支えられています。
毎年、春秋あわせて10万人近い人が訪れています。 入苑料は無料ですが、「ばら苑募金」が行われています。 平成20年(2008年)に、ばら苑開苑50周年を迎え、「ばら苑募金」を活用して、新たにイングリッシュローズコーナーが整備されました。 春の生田緑地ばら苑では、約533種、4700株のバラが開花します。
今回の「駅からハイキング」に参加しての散策ですから、「生田緑地ばら苑」でバラを楽しんだ後、正面ゲートとは反対側の西口から出て、生田緑地遊歩道を経由して「生田緑地」東口に向かいました。 「生田緑地ばら苑」と「生田緑地」東口を結ぶ遊歩道は、「生田緑地ばら苑」が通常閉鎖されているため、この時期しか利用できないようです。
ヒストリー
ノスタルジー
「生田緑地」は、昭和16年(1941年)に都市計画決定された都市計画緑地で、首都圏を代表する緑豊かな自然環境を有しています。 生田緑地には、クヌギ、コナラを中心とした雑木林や、谷戸部の湿地、湧水等の貴重な自然資源が残されており、かつての里山環境や、周辺の農地、樹林など一体となった美しい風景が現在にも引き継がれています。
ダブルデライト
ザダークレディ
エミールノルデ
生田緑地バラ園西側:生田緑地遊歩道のバラ
今度は下り道です
特に、中央地区には、ゲンジボタルやホトケドジョウなど、市内でも限られた地域でしかみられない貴重な生物が生息しています。 その自然を背景に、岡本太郎美術館、日本民家園、伝統工芸館、かわさき宙(そら)と緑の科学館、藤子・F・不二雄ミュージアム、春と秋に開苑するばら苑等の施設があり、さまざまな楽しみ方ができる場となっています。
生田緑地東口にあるのが、「生田緑地東口ビジターセンター」です。 「生田緑地東口ビジターセンター」は、生田緑地の総合案内所として平成24年4月にオープンした新しい施設です。 1階の展示スペースでは、緑地内の施設や四季折々の自然をパネルや模型などにより紹介しています。 2階の多目的スペースは、来園者が自由に休憩でき、雨の日はここでお弁当を食べることができます。
生田緑地東口ビジターセンター
日本民家園正門
「生田緑地東口ビジターセンター」の右前方にある建物が、「川崎市立日本民家園」の正門です。 日本民家園を右手に見て園内を200mほど進むと中央広場で、左手にあるのが「かわさき宙(そら)と緑の科学館」です。
「かわさき宙(そら)と緑の科学館」は、川崎の自然や天文、科学に関する展示や体験活動を行っている自然科学の博物館です。 館内には世界最高水準の星空を再現するプラネタリウム「メガスターVフュージョン」があり、職員の生解説により投影しています。 生田緑地の中心に位置し、中央広場を望むカフェテリアとミュージアムショップも併設しています。
かわさき宙(そら)と緑の科学館
生田緑地中央広場の休憩所
生田緑地
母の塔
岡本太郎美術館
中央広場からさらに奥の方に300mほど進むと池があり、さらに100mほど進んだところに「川崎市岡本太郎美術館」があります。 川崎市生まれの芸術家・岡本太郎から寄贈された主要作品1779点を保有・展示しています。 美術館の奥に「母の塔」が展示されています。
日本民家園:山下家住宅
「生田緑地東口ビジターセンター」から「川崎市岡本太郎美術館」の間の、北側の山の斜面に拡がっているのが「川崎市立日本民家園」です。 「川崎市立日本民家園」は、急速に消滅しつつある古民家を永く将来に残すことを目的に、昭和42年(1967年)に開園した古民家の野外博物館です。
日本民家園:菅原家住宅
日本民家園:江向家住宅
日本民家園では、東日本の代表的な民家をはじめ、水車小屋、船頭小屋、高倉、農村歌舞伎舞台など20数軒の建物を見ることができます。 さらに、昔の民家生活を楽しむことができるように、園路には道祖神、庚申塔、馬頭観音、道標などの石造物が展示され、また民家内には農具や生活用具類が展示されています。
日本民家園:船越の舞台
廻り舞台の仕組み
日本民家園の正門になっている本館の1階では、古民家に関する基本的な知識を学ぶことができます。 主な展示内容は、日本の民家、民家の普請、民家の立地と屋敷構え、民家の火と水、民家の昼と夜などです。
本館1階
原家住宅
三澤家住宅:屋根は石置きの板葺き
正門から入り緩やかな坂を上った右手にある最初の建物が、原家住宅です。 江戸時代の流れを汲む木造建築技術が、高度に発達した明治時代後期の建物で、完成するまでに22年の歳月を要した豪壮な2階建ての民家です。 川崎市中原区小杉陣屋町から移築されたものです。
右前方が登戸民家園通り商店街
生田緑地東口を出て、向ヶ丘遊園駅の方向に700mほど進んだY字路を右方向に進むと「登戸民家園通り商店街」です。 左方向に200mほど進むと向ヶ丘遊園駅です。
この方向に進むと向ヶ丘遊園駅
登戸民家園通り商店街
「登戸民家園通り商店街」を300mほど進むと小田急線の踏切があり、手前を右折して小田急線に沿って500mほど進むと登戸駅(ゴール)です。 風来坊